とある講師のホンネ

フリーの講師。国・数・英・理を指導中。東大卒。現在は家庭教師中心ですが、大人の文章教室なども開いています。

中学受験は〇〇が9割~「親ガチャ」の真実

流行りましたねえ、あの本(遠い目)。 個人的には苦手ですね。 知り合いの東大生はみな懐疑的ですね(かなりマイルドな表現に変えております)。 あのアホな本のせいで中受ゴリゴリになっているご家庭が増えている現実を憂いています。 中受時点では「遺伝…

「モラハラ子供」の奴隷になる親たち

DV気質の子供がいる、と言ったら驚かれるでしょうか? 私は、このブログでは再々「教育虐待」について書いています。 前回の記事では「親ガチャは事実」とまで書いています。 mikoto2020.hatenablog.com ですから、もしかしたら「いついかなるときも子供が正…

「親ガチャ」は事実なのに大人はなぜ憤るのか?

最近流行の「親ガチャ」と言う言葉ですが、この業界の人はみんな感じてたことなんじゃないかな。 でも、大人たち、とくに親御さんはこの流行り言葉が大嫌いみたいですね。 子供が「親ガチャ」という言葉を使う動機も場面も様々だろうに、脊髄反射でキレてい…

コロナ禍で買って良かったもの(1)生活編

コロナ禍で授業はすべてオンライン化し、ほぼヒキコモリの生活になりました。 その中で、買って良かったものを備忘録として書いておきたくなりました。生活編と勉強編に分けて書いてみようと思います。 まず、生活の大きな変化と、それぞれについて買って良…

子供の特性を受け入れられない親(1)~よくしゃべるのに国語ができない子

この仕事、好きでやってますし、自分には一番合っている仕事だと思っています。 ですから、その仕事だけで食っていけるどころかキャンセル待ちが多いくらいの状態を日々ありがたく思っています。 それでも、心が折れそうになるときがあります。 それは、生徒…

「前にも教えたよね?」は禁句ではない

以前、「看護師の指導法十か条」のようなものを目にして驚きました。 どれもこれもが「今はここまで新人に優しくしないと訴えられるのか」とゾッとしましたが、とりわけ「『何度教えたと思ってるの?』はNG」という教えに驚愕です。 時代に逆行するようです…

中学受験に必要な「厳しさ」とは~中学受験は修羅の道

前々回の記事の補足のような記事です。 ちなみに前々回は、子供の「甘え」について書きました。 mikoto2020.hatenablog.com はっきり申し上げて、中学受験は、精神的にまだ幼さの残る子には向いていません。 5~6年前まではそうでもなかったんですけどね(^…

ダブルスタンダードな親に聞きたい

これまでにも、親御さんの「ダブスタ」には書いてきました。 今日は「どこまで厳しくするかは目標とトレードオフです」という話を書きます。 ダブスタの親御さんは、講師に「両立しえないこと」を望まれます(苦笑 これが非常に困る。 例えていえば「一切食…

小学生女子の扱いの難しさ~「テヘペロ」

初めにお断りしておきますが、男女の学力差が云々という話ではありません(汗 長年、小学校低学年から社会人まで教えてきて、「小学生女子」に特有の扱いの難しさがあることを感じるようになりました。(小学生男子は男子で特有の問題点があるのですが、それ…

東大2姉妹の母親は何をしていたか~私の場合

20年以上前の話なのであまり参考にならないかもしれませんが、恥ずかしながら私の親がどういう接し方をしてくれたか、そして私がどんな子供時代を過ごしたか、ご参考までに書いてみます。 ちなみに、私は姉妹揃って東大です。 そして、母は高卒です。女性が…

講師は親のここを見ている(4)~タテマエは百害あって一利なし

中高生になると、本人が自分で、自分の言葉でコーチと話し合うことができます。 中学生だと多少は親御さんの出番もありますが、高校生ともなるとほぼゼロ。 対照的に、小学生すなわち中学受験では、本人はほとんど何もしゃべらず親が志望校はじめ、ほぼすべ…

自粛生活の、あえて「良かった探し」

1年半ほど前を境に、世界は変わってしまいました。 全世界の人が、それぞれに辛い状況だと思います。 私は早々にヒキコモリ生活に移行しましたが、それはフリーランスだからできたこと。だからといって「自分は(比較的)安全だから世の中はどうでもいい」…

講師は親のここを見ている(3)~面談&メールの長さ~

以前書いたこととかぶってる気もしますが、まあブログというのは「その人のブログを過去記事まで全部さかのぼって読む」というものでもないと思いますので、気にしないことにします(笑)。 考えたら、出版されている本ですら焼き直しが多いわけですからね(…

講師は親のここを見ている(2)~「書類」の出し方

授業がオンラインに切り替わると、テストや宿題などで書類をやり取りすることが多くなります。今回は、このデータの作り方に、親御さんの「思いやり」「仕事ができるかできないか」「子供への声掛けが適切か不適切か」までが透け透けで見えてしまいますよ、…

講師は親のここを見ている(1)~コロナでわかる人間性~

多くの親御さんは、無意識に家庭教師や個人コーチを「下」に見ていると思います。 「金を払っている」という意識がそうさせるのでしょう。 でも、そう思い込んでいると怖い落とし穴がありますよ、というお話です。 私は、コーチ業とお医者さんは似ているな、…

五輪に学ぶ(3)~「子供の実力を見極めること」の大事さ

今日の女子10000メートルは、見ていて胸が痛くなりました。 なぜなら、「まさに受験レース」を具現していたからです。 競技参加者が全員精一杯やってきた場合、「下剋上」はありえません。 トップが敗退するという番狂わせ、はありますが、それを期待して闘…

五輪に学ぶ(2)~指導者はどうあるべきか

柔道ロスのミコトです。 柔道、本当に素晴らしかった!!!!! みなさんそれぞれ「推し」はいらっしゃると思うんですが、私は 新井千鶴さん 濱田尚里さん(本来の文字が環境依存のため、別変換となることご容赦ください) 素根輝さん にベタ惚れですね/// …

サピックスの記述問題の「問題」

まあ、サピックスに限った話ではないのですが。 何度か書いてますが「記述力は集団塾では伸ばせません」という話です。 mikoto2020.hatenablog.com 文章力を伸ばすには、一にも二にも、「丹念な推敲」が必須です。 記述が苦手、と言っても色々あります。 ・…

五輪に学ぶ(1)~「やる気」とは~

23日の開会式を号泣しながら見てそのまま五輪漬けです(^^; もちろんオンオフはメリハリつけて、仕事優先でやってますが! コロナ禍のもと、またメディアスクラムが与党批判のために五輪を否定にかかるという大逆風の中、土壇場でひっくり返る可能性もあるの…

「特攻」する親

中受にしろ大受にしろ「特攻」と言われる受験が悪いわけではありません。 本人がそれを望むならば。 特に、大学受験はもう本人が自分で決めるべきですしね。 でも、世の中には「子供に特攻させる親」が少なからず存在します。 今回は、その特徴や弊害につい…

「わからない」と言われてもすぐに教えてはいけない

以前も書きましたが すぐ教えるコーチはダメコーチ です。 mikoto2020.hatenablog.com 集団塾は「考える時間」を与えてくれませんから、ただでさえ勉強苦手な子は「考え抜く習慣」がありません。すぐ「わからない」と言います。「わからない」と言えば大人が…

コスパの良い人生とは

何度も書いてますが、私は人生に「コスパ」という概念は一番そぐわない、と思っています。(これまた何度も書いてますが、かの養老孟司先生も「究極のコスパは今すぐ死ぬこと」と仰ってます。) でも、あえてその流行に乗るとしたら。 「コスパの良い大学」…

「親の欲目」の逆パターン

個人コーチやってると、よくいて困るのは「ウチの子はもっとできるはず!」と、子供が発達障害でも認めようとしなかったり、子供の潜在能力の限界を無視する親御さんなんですが、ときどき逆パターンもあります。 「親の欲目」の逆パターンとでも言えばいいん…

エクセルでスケジュールを作るな

この稼業やってると、しばしば出会うのが「エクセル親父&ママ」。 もし、あなたが今。 エクセルで子供のスケジュール作っていたら。 今すぐやめましょう。 意味、ないです。ましてや、講師にそれを見せて「その通りにやってくれ」とかナンセンスです。 それ…

高校受験のススメ~「内申」ってそんなに怖い?

都内に限った話ですが、中学受験は過熱の一方です。 小学校低学年からの通塾は、リスクのほうが大きいと思っています。 詳しくは過去記事をどうぞ。 mikoto2020.hatenablog.com mikoto2020.hatenablog.com で、そもそもなんでこんなに都内中受が過熱している…

「とりあえずサピ」は正しいのか~「降りられない悲劇」~

何度も書いていますが、私は「自分に合う塾がベストな塾」と考えています。 鶏口か牛後か、でも書きましたけど、「属する集団で自分が常に平均以下」ってかなりつらいですし、その「集団」って「中下位」は見てくれませんからね。 「集団の中下位をこそ伸ば…

「塾ナシ」で伸びる子、向いている子とは

何度も書いてますが、私の生徒は6~7割が塾ナシです。 それで東大はじめ、第一志望の難関校受かってるんだから立派なものです。 彼らはまた、「私と勉強始める前より学力が超大幅アップ」しているのも特徴です。 自分を持ち上げたいわけではありません(ま…

仏の顔も三度まで:「キレる子」は受験の前にやるべきことがあるだろ

年々増えてます、すぐキレる子。 私は基本的にどんな生徒でも、それぞれの原因に合った対処はできます。 できますが。 それでも内心「勘弁してほしい」と思うのがこの「キレる生徒」です。 キレやすい子は会った瞬間にわかります。 その子達のうち、たいてい…

中学受験はもはや「競技」と化した

昔は良かった、などとノスタルジーに浸るつもりではないです。 実際、中高大どこも昔とは難易度が段違いだし。 ただ、今の受験は、なんていうんだろう… 「情報戦」の側面が高くなりすぎてないか? 「効率最優先」になりすぎてないか? という懸念を強く持っ…

そもそも「合格」という言い方がおかしい~「入試」から「選抜」へ

大学入試および公立高校入試の名称が変わって本当に良かった。 私立中学も後に続いてほしいですね。 これはずっと言い続けてきたことなんですけど、「上から順に採るだけの試験」で「合格不合格」という言葉を使うこと自体が不遜だと思っています。 たかが言…