とある講師のホンネ

フリーの講師。国・数・英・理を指導中。東大卒。現在は家庭教師中心ですが、大人の文章教室なども開いています。

「うちの子は本をよく読んでいるけど国語ができない」とお悩みの貴兄へ

よく本を読んではいるのに国語のテストができない子がいます。
だからなのか、ウケを狙っているのか「読書しなくても国語はできる!」論をよく見かけます。それは、間違いです。あるいは詐欺です(笑)。「好きなだけ食べて10キロ減!」と一緒です(笑)。

 

読書量の多寡が国語の点数と関係ないわけがありません。
「読書量多でも国語ができる子もできない子もいる」だけで、
そもそも活字を読むのが嫌いな子で国語ができる子を見たことがありません。
「うちの子はそんなに本を読んでないけど国語はできますよ」という方もいるでしょう。でも、そのお子さんは「本」を読んでいないだけで「活字」を読むのは好きなはずです。取り扱い説明書や、図鑑、etc。

 

おそらく多くの親御さんが驚愕の事実。
それは
本を読むけれど国語ができない子のほとんどが

「飛ばし読み」をしている

ということです。
音読させれば一発でわかります。
読めない漢字多発。
キャラクターの名前さえ間違えて読んでいる。
つまり、彼ら彼女らは「あらすじ」が知りたいのです。
ミステリで言えば「細かいことはいいから犯人誰かわかればいいや」ということ。

わからない単語があっても気にしないし、キャラクターが「なぜ」そうしたかなんて興味がない。誰が「どうした」だけわかればいい。こういうお子さんは、読解問題で玉砕します。なぜって、読解問題は「なぜ」を聞いてくるから。

 

国語ができる子は、知らない言葉が出てくると知りたくなります。
親に聞きます。辞書で調べます。

キャラの気持ちがわからなければ、考えます。

 

本をよく読んでいるのに国語ができない、というお子さんには

一度音読をさせてみてください。いかにお子さんが「穴だらけ」で本を読んでいたか、驚かれることと思います。


この場合は、対処は地道ですが割と簡単です。
音読によって「飛ばし読み」を封じると、語彙も多くなり、ひいては「読める」ようになっていきます。
まずは「いかに自分が語彙力がないか」を自覚させることが肝要です。

そして、そのあとは「ディスカッション」します。

国語はディスカッションでこそ伸びます

そこが、マンツーマンならではなのです。

多くの参考書や塾の「〇〇だから××なんだよ」という「解説」では、「わかる」けど「できる」ようにはなりません

これについては長くなるのでまた別で。 

 

それとは別に「オチ」がわからないタイプのお子さんがいます。
映画「セブン」で「あの箱には何が入っていたの?」というタイプです。
0・ヘンリの短編の面白さがわからないタイプです。
この対処法は、長くなるのでこれまた別で。