とある講師のホンネ

フリーの講師。国・数・英・理を指導中。東大卒。現在は家庭教師中心ですが、大人の文章教室なども開いています。

家庭教師はうまく使おう(2)~子供のタメ語はやめさせよう

家庭教師ブログは営業を兼ねている場合が多いようで、そのせいなのかあまり教師の本音は見られないように思います。みんなもっと本音書けばいいのに。

このブログはいまのところ備忘録のためにひっそり書いているので本音ベースで書きます。講師も人間。おだてたり過度に下手に出る必要はありませんが、せっかくなら気持ちよくやってもらったほうが、結局お子さんの「得」になるのではないでしょうか。

 

最近、実に「タメ口」の生徒が増えたな…と感じます。
驚いたのですが、もはや学校でもそうらしいですね。

わが子のためを思うなら、速攻やめさせたほうがいいです(笑)。

真剣に教えているときにタメ口で返されて気分のいい講師はいないと思いますがいかがでしょうか。

 

「らっしゃる」などの「敬語」を使ってほしいわけではないのです。
せめて「なの?」じゃなくて「ですか?」にしてほしいという切なる願いです(笑)

 

以下は、過去の実例です。

・小学生で、そもそも「です」「ます」を使うことを知らない場合。
「へ~」「ふ~ん」「なんで?」などなど、平気で言う、しかも立膝で。


・「です」「ます」が使えないどころか、授業が終わったらすぐにベッドに寝転ぶ、辞するときにあいさつに出てこない。親御さんの常識がそうなんだな、と、口に出さずに理解します。

 

たしかに、我々講師はギャラをもらっています。
ですが、それは医者とおなじことです。めぐんでいただいているわけではありません

こちらは「家庭にはできない技術」を提供しています。「金を払っているほうが偉い」ということではありませんし、そういう風に子供に誤学習させてしまってよいものなのでしょうか。

 

教育は、等価交換のサービス業ではありません。


経験上、タメ口、挨拶にこない子、がバクノビしたケースはありません。「素直に人から教わる姿勢」「教わる相手への敬意」がないのは受験が「他人事」だからです。講師に平気でタメ口をきいているかどうかは、お子さんの「自主性チェック」にもなりますよ。

 

逆に言うと、小6でTPOをわきまえた言動ができる子はぐいぐい伸びていきます。それが、難関校を受ける大前提。TPOをわきまえ教わる相手に自然に敬意を払える、そういう子は受験が「他人事」ではなく「自分事」になっています。彼らは「それがマナーだから」機械的に丁寧語で話しているわけではない。自分がわからないことを教えてもらうから自然と真剣になるし舐めた態度はとらない、ということなのです。

 

口にはしなくても、お子さんのタメ口を好ましく思っていない講師は多いことでしょう。塾にも行かせて家庭教師もつけているのに伸びない!と他人を責める前に、お子さんの「姿勢」を今一度チェックしてみませんか?
「親が金払ってる相手にはぞんざいな口をきいてもいい」という子供になってほしいですか?

 

ちなみに、私は基本的に生徒のタメ語はやめさせていますが、最近「なんでいけないんですか?」という親御さんがちらほら増えてきて、いやはや…という感じです…