とある講師のホンネ

フリーの講師。国・数・英・理を指導中。東大卒。現在は家庭教師中心ですが、大人の文章教室なども開いています。

家庭教師はうまく使おう(3)~紹介所を使うかどうか

家庭教師ブログは営業を兼ねている場合が多いようで、そのせいなのかあまり教師の本音は見られないように思います。みんなもっと本音書けばいいのに。

このブログはいまのところ備忘録のためにひっそり書いているので本音ベースで書きます。講師も人間。おだてたり過度に下手に出る必要はありませんが、せっかくなら気持ちよくやってもらったほうが、結局お子さんの「得」になるのではないでしょうか。

 

「使い方」とはいささか逸れますが、いわゆる「家庭教師センター」を使うかどうか、の問題です。これは、どちらかというと親御さん向けというより講師の方向けの記事かもしれませんね。

でも、「自分の払ったギャラがどれだけ講師に入っているか」という点では、ご家庭も知っていて損ではないと思います(笑)。

 

【センター経由のメリット】

・困ったことが起きたとき「第三者」に相談できる

・いろいろ明朗会計

・どうしても相性が悪ければ「チェンジ」可能

 

【センター経由のデメリット】

・高い(笑)

センターによってまちまちですが、お支払いになられた金額のうち、講師にわたっているのはよくて6割、下手をすると4割です。

 

・本部は紹介以外なにも仕事をしない(笑)

 

まあ、一長一短ですね。

三者が介在するというのは、たとえトラブルが一度も起きなくとも、心強いものです。その「安心料」のために半分も本部に払うのか?と思われるご家庭も多いでしょう。そこでよくあるのが「紹介してもらったあとは講師に直取引を持ち掛ける」ケースです。これは、絶対にやめたほうがいいこんな話に乗ってくる講師はろくなもんじゃありません(笑)

私はセンター経由で始まったお仕事の場合、直取引は絶対にお受けしません

なぜなら、そういうご家庭が(申し訳ないですが)地雷だと経験上知っているからです。さらに、個人経由の場合、私はセンターと同額をいただいています。私の場合に限ってですが、直取引にしてもさほどギャラは変わりません。

意識として、「ご家庭が払ったお金を業者が中抜き(いやな言葉ですね)している」のではなく、「私がいただいたギャラのうち、半分程度を業者に『マネージャー料』として支払っている」イメージでおります。芸能事務所みたいなイメージ。

 

その意味では、「講師への配分が良心的な業者」を選ぶのがベストです。

なぜなら、我々は社員ではありませんから、正直なところ「ご家庭が本部にいくら払われているかどうか」は関係ないんです。「私は5千円しかもらってないけど、本部に一万円以上払ってらっしゃるんだからその分の仕事をしよう」と考えるのは「社員」です(笑)。配分率があまりにもアンフェアな業者に頼むと「自分では高額払っているつもりなのに、講師からしたら『安い』仕事だと思われてしまう」ことになります。

 

ちなみに、私は個人経由と業者経由は半々(若干業者経由のほうが多い)ですね。

個人経由オンリーにしたら年収倍になるのはわかってますが、そうしようとは思いません。営業する時間があったら勉強したいからです(笑)。仕事もってきてくれるんだから、私のギャラの半分業者に渡しても当然かなと思ってます。

あと、個人経由って、トラブル多いんですよ(汗)。

学生時代はナメられたのか、2か月分のギャラ20万近くを滞納されたりしましたしね。

講師側にとって、業者を通すメリットは「使用人扱い」されないことです。

人間、不思議なものですね。

「直接」お金を渡すと、どうも「惜しい」とか「私はこいつの雇い主だ」と思っちゃうみたいなんですよね。

私は昭和の人間なので、お月謝を「むき身」で渡すのは失礼だと思っています。

でも、個人経由の方って、だんだんお金が惜しくなるのか「わざと生徒の前で」万札数えたりする人すごく多い(苦笑)。もうね、ほんとそれやめたほうがいいです。講師のほうも、金でマウント取りに来てることくらいすぐわかります。ましてや生徒の前で、はありえません。

業者を通すと、目の前の相手に直接お金を払っている感覚がないせいか、比較的健全な関係が保てます(笑)。

あと、個人経由の方って、「金を払って雇っているんだから融通きくはず」と思うのか、直前キャンセルや日時の変更が結構多いです。

 

最後に、ご家庭からしたら「家庭教師は高い」という感覚かと思いますが、「マンツーマン」ということは「相手の時間を拘束している」、その拘束料と考えると決して高くないと思いますがいかがでしょうか。

 

さて、肝心の家庭教師の「探し方」については、次の記事で書きますね。