とある講師のホンネ

フリーの講師。国・数・英・理を指導中。東大卒。現在は家庭教師中心ですが、大人の文章教室なども開いています。

家庭教師はうまく使おう(4)~どうやって探すか

家庭教師ブログは営業を兼ねている場合が多いようで、そのせいなのかあまり教師の本音は見られないように思います。みんなもっと本音書けばいいのに。

このブログはいまのところ備忘録のためにひっそり書いているので本音ベースで書きます。講師も人間。おだてたり過度に下手に出る必要はありませんが、せっかくなら気持ちよくやってもらったほうが、結局お子さんの「得」になるのではないでしょうか。

 

前回「本部には半分くらい取られるけどセンター経由のほうがお互い安心だよね」という話を書きました。

 

その「探し方」について本音ベースで書きます。

簡単にまとめると

・本気なら、遅くとも受験年の前年夏には動き出そう

・個人経由を望むなら「先輩ママ」のコネがすべて!

です。

 

1)動き出す時期

中受で言えば、6年になってから動くのでは遅いです。

なぜなら腕のいい講師は下手すりゃ数年先まで埋まっているからです。

「思ったより伸びない、もしかして塾だけではまずいのか?」と思ってから動くころには、売れっ子講師は売り切れています(苦笑)。

親御さんからしてみれば、必要になるギリギリまで余計なお金は払いたくない、と思うのも当然でしょう。でも、その「必要になるギリギリ」のタイミングでは遅いと言うことです。

これを書いている講師ブログは少ないかとは思いますが、『一般的な』講師の年間スケジュールはこんな感じ。

1月:超繁忙期

2~3月:無職(笑)

4~7月:ぼちぼち

 8~9月:短期需要が増す

10月以降:駆け込み需要

 

普通に6年からは家庭教師をつけたい場合「無職」の時期を狙うべし(笑)。

 

でも、「売れっ子講師」は別です。

1月:超超繁忙期

2~3月:ちょっとだけ枠が空く

(「卒業」した枠に「予約」組が入るので結局枠はそれほど空かない)

4~7月:プラス新規でほぼ枠が埋まる

8月以降:レギュラーの生徒の追加授業で枠いっぱい、新規は無理

 

つまり「売れっ子」がぜひとも欲しいなら、「5年の秋」くらいから「予約」をするのがおすすめです。

私もここ5~6年、そういう依頼が増えてきました。

「5年の間はミコトの空いている時間でいいが、6年からはレギュラーにしてほしい」

ずばり、コネ作り、ですね。私の場合は、ありがたいことに小2~高3まで、と長期契約が多いので2~3月が無職になることはないのですが、「卒業」した子がいる場合、2~3月に少々枠が空きます。そこで「予約」されるわけですね。

 

親御さんがあまり気づかないであろう現実、それは「我々講師は『年間の枠単位』で考えているということです。歯医者さんや美容室の予約のように「空いているからここにどうぞ」ということではないのです。先にその枠を誰かに取られちゃったら、その枠は一年は空きません

5年時から動いているご家庭というのは、「枠」を取りにいっているのです。

 

講師側からすると、「切羽詰まってから最低限のお金でなんとかしたい」というご家庭より、5年時から続いていたご家庭を優先するのは自然なことです。

また、家庭教師センターは、ご依頼が来た場合当然「良い講師」からあたって埋めていきます。

つまり、小6の5月ごろには、秋口にはなおさら、腕のいい講師はもういない、ということなのです。たとえばレギュラーの生徒さんが中受をやめた、などで運よく空くこともありますが、そこはもはや神頼みです。

 

2)個人経由でいい講師に頼みたい場合

 

個人経由の場合、以下の3つのケースがあります。

・家庭教師登録サイト

・ネットなどで、個人でやっている人を探して頼む

・紹介

ずばり、ベストは「紹介」です。

登録サイト経由は、いろいろリスクが大きいです。家庭の側から見ても、講師の側から見ても。「本部に払うお金が要らないから」という理由だけで選ぶのならリスキーかと思います。

個人でサイトなど運営している方の場合、そこを見ればだいたいの指導方針やお人柄などはわかるでしょうから、納得したうえで申し込まれるのならよろしいでしょう。ただ、個人でサイトを運営している方でご家庭の「目に留まる」講師は、やはり数年先まで「売り切れ」だと思います。また、相性は会ってみないとわからない部分があります。

ベストは、やはり「紹介」です。

講師側からしても、どんな人がくるかわからないのにサイトで幅広く募集するより、紹介が安心なのは当然です。

ただ、家庭教師の場合、「紹介」してくれる人がとても少ないのも事実です。原因は

・自分の子が家庭教師の力を借りて合格したと思われたくない

・同学年(=ライバル)には当然教えたくない

という2つが大きいようですね。

自分の子についている講師が良ければよいほど、他人には教えたくないのは当たり前。

だから、紹介してもらうとすれば「先輩ママ」です。受験が終わったお母さんで、家庭教師の存在を隠したいとは思っていないママなら、教えてくれるかもしれません。こればかりは、普段の人づきあいがモノを言うかと思います。

また、少々話はそれますが、「紹介してほしい」と思うならば、逆に普段から「情報をガメない」ことが大事かと思います。自分はお得な情報を独り占めするのに、人からは情報が欲しい、という人のところには情報は集まりません。そういう人って多いんですけどね(苦笑)。過去、私を絶賛してくれる親御さんにほかの生徒さんのご紹介を頼んでも、「絶対に他人にはミコトを教えない」という親御さんは多かったです。というか、ほとんどそうだった(笑)。紹介した子が私の指導で伸びてもわが子のライバルになるわけではないのに。