以前、こんな記事を書きました。
・本気なら5年生でセンターに「予約」するべし
・個人契約はお互いリスキー
・ベストは先輩ママの紹介
今回は「どのセンターを選ぶか」での意外な盲点を書きます。
1)まずは、目的を絞ろう
共働きなどの理由で「見張りになってくれさえすればいい」なら安い学生バイトでOK。
本気で学力伸ばしたいなら「プロの売れっ子」からあたるべき。
本人&ご両親が「厳しいことを言われても目的のためなら我慢できる」のか「ヨイショしてもらっていい気分で受験を終えたい」のか、そういったことも重要です。
「いいとこどり」はできません。
まず目的を絞りましょう。
2)センターのHP比較ではここに注目!
どのセンターも、保護者向けには良いことしか書きません(笑)。
そこで、見るべきはズバリ「求人情報」です。
こんなホンネ書いてて、私、業界から消されないかな(笑)
保護者に対して「高品質の教師ばかりを集めています!」と言っている同じサイトで、応募者に対して「誰でもできるお仕事です」みたいに併記している会社さんは脇が甘すぎますね(笑)。
・応募者に求めるハードルが高い会社
・講師への時給提示が高い会社
は、まず信頼できると考えてよいです。
「講師に払われる時給が高い」ということは、ご家庭が支払われる額のうち講師に渡る割合が多いと言うこと。再々書いております通り、センターさんは基本まっとうな仲介業です。その管理費・宣伝費・マネージメント料を「中抜き」と考える講師はろくなもんじゃありません。3~4割なら私は平気ですね(世の中、管理業務を軽視する人が多すぎです)。
ただ、これが6割超えてくると話は別です(笑)。なぜなら、ご家庭と我々の間に齟齬が生まれるからです。具体的に言います。もし一時間1万円センターに払ったら、ご家庭はそれなりの働きを講師に期待すると思います。でも、もし講師に一時間2~3千円しか渡っていないとしたら?移動時間や面談で時間拘束される分を考えたら、コンビニと大差ありません。
だから「講師を大切にしているのがわかる会社」ほど、結局はご家庭にとって良いセンターということになります。
求人情報の条件が高いセンターや、講師向けページが充実しているセンターは講師を大事にしていると考えてよいんじゃないかな。
3)センターに電話したときのチェックポイント
「あなたのお子さんに合った講師を選びます!」というのは、割とウソですよ。
割と、と書いたのは、一応選考はある(らしい)からです。
たいてい、どこも登録講師に一斉メールを送ります。
それに応募してきた講師の中で、選考をするということです。
冒頭の過去記事にも書きましたが「売れっ子」は、当然数年先まで埋まっています。
だから「埋まっていない人」の中から、一番合った講師が選ばれている状況が多いんじゃないかな?
ごくまれに、「センター本部が『この先生にこそ合う』と吟味し、『一本釣り』で交渉する」まさにエージェントの鑑のようなセンターが存在します。このブログは営業ブログではありませんし、センターさんに迷惑かかってもいけないので実名は上げませんが。そういうセンターさんは「売れっ子」から当たります。売れっ子講師のスケジュールが埋まっているのを承知の上で、交渉してくれます。決して講師を「両天秤」にはかけません。成約至上主義ではないからです。
それって、相談されたご家庭を第一に考えているからでもありますよね。
さて、それをどうやって見分けるか。
電話相談のときに、どれだけしっかりご家庭の「困りごと」をしっかり聞いてくれるかである程度見分けられると思います。
ほとんどのセンターには、たぶんヒアリングのチェックリストみたいなものが存在するんだと思うんですよ。で、電話対応担当さんは、それを機械的に埋めていく。んで、一斉送信。
それでうまくいくケースも多いでしょうから、否定したいわけじゃないんです。
ただ、あなたがもし本気で困っていて「私に/うちの子にベストフィットを探したい」んだったら、「流れ作業ではなくしっかりヒアリングしてくれるセンター」が吉だと思います。
4)ギャラは高いほうがいい
こと家庭教師に限っては
ほぼ「高い=良い」と考えてよいでしょう。
なぜなら、家庭教師業というのは「薄利多売」ができないからです。
生徒のこと、授業の質を考えたら1日2人がMaxです(浪人生や不登校はまた別)。
週5~6日、それで生計を立てるとなれば、だいたい下限が決まりますよね。
「それでは生活できないけど安くする」ケースというのは
・この仕事を始めたばかりだから赤字覚悟
・仕事がこないから安くする
・本業がほかにあるから安くてOK
てなところかと。
たとえばマッサージは一時間3000~ですよね?あるいは、何かの修理で人を呼んだら「出張費」だけで5000くらい取られませんか?
人件費、ってそういうことです。「お宅まで伺って、お子さんに合った授業をして、さらに前後に無給で親御さんのお話聞いて、それで一時間2000前後」とかってかえって怖くなりませんか?
家庭教師だけで食っていけるほどの実力がある講師の時給は、高くて当たり前です。
さて、高いほうがいいという真の理由は別にあります。
高い講師は仕事に困ってないので、本当のことを言ってくれる
からです。
この仕事で駆け出しのころ、「小学校の授業もわかっていないのになにがなんでも御三家志望」の仕事が回ってきたことがあります。さすがにそれは厳しいですし、基礎をやることから始めたいと思ったのですが、センター担当さんはご家庭に「頑張れば大丈夫大丈夫!」と無責任なことを言い、あとは私に丸投げされました。
当時、私なりに基礎の大事さや、現実とのギャップをお話もしたのですが、お母さまは聞く耳持たず…。お子さんが「半年テキトーに話合わせておけばあの人(=お母さん)もあきらめるからさ」と言っていたのが忘れられません。
もし当時、私が今のように「売れっ子」だったら。
きっと、恐れずに「お子さんにとって最適な方法」をお伝え出来たと思います。
「ギャラが高い人」「売れっ子」は、「これを言ったらこの仕事なくなるかも」と恐れずに、その人が最適だと考えることを言ってくれるはずです。良薬口に苦し。今、本当に困っていてなんとかしたい、と本人/親御さんが悩んでいるなら、センターに相談するとき「一番人気の先生をお願いします」と指名するのもありですよ。指名制にしている個別指導や家庭教師センターもありますから、気に入った講師が見つかればじゃんじゃん指名しちゃいましょう。
「そうは言っても『高くて悪い』をつかまされるのでは」という心配はほとんどいらないと思います。なぜなら、我々はセンターさんの「社員」ではありませんので、年功序列ということはありません。さらに、「うっかりギャラを高くしちゃったけど評判悪い先生」にはセンターさんも仕事を回しませんから。
上に書いたような理由で、安い中にも掘り出し物はある可能性はありますが、「高くて悪いもの」をつかまされるケースは少ないでしょう。もっとも、それ以前に「よきセンター」を見つけたうえで、の話ですが。
5)おまけ:「実績」について
なかなか難しいですよね、「〇〇実績があるかどうか」をどう考えるか、って。
それは、塾でも同じですよね。
ぶっちゃけ言うと、超難関校の場合「もともとできる子を受け持った/入塾した」から「実績」になっている場合が多いんじゃゃないですかね。
私立中高の東大合格ランキングも似たようなもんですけどね(苦笑)。
この業界、「塾講師時代に〇〇合格生徒を担当していた」ことを「家庭教師としての実績」にしてしまうケースも多いです。確かめようがないし(笑)。
で、問題は。
そもそも、塾だけで順風満帆だったら家庭教師まで頼みませんよね?
だったら、センターさんに「〇〇実績」と言うときには「これくらいの偏差値から〇〇まで伸ばした経験のある方」という頼み方のほうが、ベストフィットティーチャーが来る可能性が高いと思います。
「(たまたまできる子受け持ったゆえの)〇〇合格実績」よりも「どれだけ伸ばした経験があるか実績」のほうが、塾の場合も家庭教師の場合も大事なんじゃないかなあ。
「できる子を維持する方法」と「できない子を伸ばす方法」は全然違いますからね。