ときどきいるんですよね、安易に「コツを教えてください」「コツ、ないですかね?」という生徒。内心、ムカッとします。なぜムカムカするんだろうな、これは私が大人げないのか?と悩み、ちょっと分析してみました。
「コツ」に関する話が嫌いなわけじゃないんですよね。むしろ、大好き。このブログでもTipsとして書いているくらいですし、生徒には惜しみなくコツを伝えています。なのになぜ「コツを教えて」と言われると大人げなくイラッとするのか。
イラっとする生徒の「コツを教えて」には共通点がありました。
- 「数学のコツを教えてください」など、非常にあいまい
- 普段、さんざんTipsを伝えているのにそれはメモもせず、気が向いたときに「コツを教えろ」と言ってくる
- 教えても決して実行しないのがわかっている
- おまけ:「伸びる子」が同様の質問をするとき
「数学のコツを教えてください」など、非常にあいまい
数学のコツ?普段全然勉強してないのにいきなりそれ聞く???
そういう聞き方をする時点で、学問をなめきってるのがわかります。こういう生徒って、本当に普段勉強してない。そんな状況で「プロ」に安易にコツとか聞きます?たとえば普段包丁持ったこともない人間が、料理研究家に「料理のコツってありますか?」とか言いますかって話。「煮物のコツはなんですか?」ならわかりますが。
スポーツだともっとわかりやすいかな?普段全然練習してない人が、いきなりコーチに「テニスのコツ、ないっすかね?」って言います?きちんと練習している子が「バックハンドがどうしてもうまくいかないのでコツを教えてください」ならわかりますけど。
コツというのは、自分であれこれやってみて、それでもうまくいかないときのヒントです。こういう生徒にとっては「コツ」というのは「楽できる近道」なんだなと残念に思いますね。
普段、さんざんTipsを伝えているのにそれはメモもせず、気が向いたときに「コツを教えろ」と言ってくる
コツ、教えてますよ?毎回、毎回。でも、メモをしとけと言ってもしない、腕組んで聞いてるだけ。さらにそれらを普段はすべてスルーして、自学もせずに上達のコツを聞くのって違いませんかね。コツは魔法の杖じゃないですよ。ベースがない状態でコツもクソもないです。
教えても決して実行しないのがわかっている
「数学のコツを教えろ」とか曖昧なことを言われた場合「数学の何のコツが知りたいの?ケアレスミスを防ぐコツ?ノートの取り方?それとも2次関数の最大最小のコツ?」と尋ねると、答えられないんですよね、こういう生徒は。そういう「細分化されたコツ」ならいくらでも教えられるんですがね。
しょうがないので、こちらで「〇〇のコツならこうだよ」と教えますが、メモもしてませんから。当然、実行されることはありません。そしてまた思い出したように「コツ、ないですか?」って聞いてくる。ええかげんにせえや(苦笑)。
こういう生徒は、往々にして大人をなめてます。
本当に困ったり悩んだりしていてコツが知りたいんじゃないんです。
「コツを知りたい」というと「まじめな印象が与えられる」と思って聞いてるんです。
一問一答形式の問題集持ってきて「こういう本って、やるコツありますか」とかね。
いや、一問一答だったら時間作ってガンガン進めればいいでしょう?こういうこと聞く子に限って、その問題集を開いた形跡もないんだよね。
たとえばね、このケースだって「買ってはみたものの、なぜか続かないんです。どうしたらいいんでしょうか」という質問なら、もちろん喜んでアイデア出します。生徒の「本気」が伝わってくるからですね。
こういう生徒の「コツありませんか?」って、あれですあれ、ピアノのレッスン。家でまったく練習してなくて、レッスンでまったく弾けなくて微妙な空気が流れた時に、「先生、ショパンのコツ教えてください」と言って誤魔化す、みたいな。いや、君はまず家で毎日ピアノ弾くところから始めようか。相手はピアノのプロやで?厚かましいと思わんのか?
大人をなめるな。
こういう生徒は、普段から「小芝居」が多いですね。私、生徒に限らず小芝居うつ人が大の苦手です。その程度の小芝居で「相手を騙せると思い込んでいる」=「相手をなめきってる証拠」ですからね。
そろそろ、そういう小芝居やアリバイ作りはやめて、真剣に学問と向き合おうや。
おまけ:「伸びる子」が同様の質問をするとき
「伸びる子」は、自学ちゃんとやってます。それでも、自力ではなかなかうまくいかない、どうしたらいいんだろう?そういうとき、「伸びる子」はもちろん尋ねますよ。でも「コツないっすかね?」なんてなめた質問はもちろんしませんね。
「相加相乗平均の問題がどうしても苦手です」
「読解で、選択問題の最後の2つで必ず間違えます」
「湿度の出し方がわかりません」
わかります?この違い。
自分でやっているからこそ、問題の所在がわかるんです。
もちろん、違う次元で苦しんでいる子がいるのはわかってます。よく言う「どこがわからないのかもわからない」という子。でも、この子たちはこの子たちで「コツを教えろ」などと舐めたことは言いません。「基礎からやろうね」というと素直に頑張ります。そして、いずれ「自分は何がわからないか」がわかり、質問「できる」ようになります。