とある講師のホンネ

フリーの講師。国・数・英・理を指導中。東大卒。現在は家庭教師中心ですが、大人の文章教室なども開いています。

伸びない子の「家」は床が見えない

もちろんすべてに当てはまるわけではありませんが、伸びない子のお宅は「床が見えない」ことが多かったですね。

家の広い狭い、とは別の問題です。

まあ確かに家は広いに越したことはありません。自分の場合は、居住空間が狭いと頭の中までごちゃごちゃしてくるので100平米超の家を選び、すっからかんに暮らしています(除く書庫&書斎)が、非常に快適です。

 

それはさておき、「床が見えない」とは。

・汚部屋

・本が階段や床に積んである

・モノが多すぎる

・伺うたびにIKEAとかニトリとかの「便利グッズ」「便利家具」が増えていく

こんな感じですかね。

汚部屋は論外として、あとの3つは「あれもこれも欲張ってゲットしてしまう」「取捨選択できない」性質の現れです。

 

家の広さは「キャパシティ」そのもの。

床が見えないと、知らず知らずのうちに心が圧迫されます。

床や壁などの「何もない場所」を「無駄」と考えることは間違い。

「何もない空間」は心をリラックスさせ、脳のノイズをきれいにしてくれます。

 

キャパシティを考えず「便利そう」となんでも買ってしまって床や壁を埋め尽くして窮屈な暮らしになっている親御さん。本末転倒。

子供のキャパシティを把握できないことに通じるものがありますね。

こういうお母さんは、家に家具が増えて行くのと同じペースで、毎週新しい問題集が増えていました(^^;

 

我が子の現時点でのキャパシティやポテンシャルを考えずに、次から次に問題集を買ってやらせてしまうのはタブー中のタブーです。不安からの行動ということは痛いほどわかります。ですが、ここはグッとこらえましょう。

 

また、次々に便利グッズや便利家具を買って家を「埋めてしまう」お母さんは、子供の「スキマ時間」も全部埋めようとしていましたね。他人の暇が許せないのかな。

 

お腹いっぱいの子供に無理やりご飯を食べさせてもおなかを壊すだけですよね。

 

できない→不安になる→過剰に課題を出す→子供はこなしきれずますますできなくなる

のサイクルと

家が窮屈で不便→不快→便利グッズを買いまくる→ますます家は窮屈に

のサイクルって似ていませんか?

こういうときは、「取り込む」のをいったんやめて、要らないものを捨てて身軽になる=頭の中をすっきりさせる、のが先決です。

 

「 ハンドルの遊び」をなくしてはいけません。