大学入試および公立高校入試の名称が変わって本当に良かった。
私立中学も後に続いてほしいですね。
これはずっと言い続けてきたことなんですけど、「上から順に採るだけの試験」で「合格不合格」という言葉を使うこと自体が不遜だと思っています。
たかが言葉をいじっただけじゃないか、と言われるかもしれません。
でも、人がある単語に対して抱くイメージというのは強力です。
たとえば、これは多くの方が言われていることですが「いじめ」「虐待」という言葉が事件を軽く見えさせてしまう問題がありますね。
「いじめ」は集団による「恐喝」「暴行」「障害」ですし、
「虐待」は家庭における「暴行」「過失致死」ですよね?
「入試」から「選抜」に変わっても、まだ「合格」「不合格」という言葉は使われていますが、こちらも何か適切な単語に変更してもらいたいところです。
以前も書きましたが、英検や数検、各種資格試験は「合格」「不合格」でいいです。なぜなら「一定基準を満たしていれば合格」だからです。
でも、入試は「上から順」ですよね?
スポーツの順位争いと同じなんですよ。
たまたま同期にすごいヤツが多かったら表彰台には上がれない、それだけ。
入試で落ちるのは順位が低かったからだけであって、そこにまるで工場の品質検査のような合格不合格と言う言葉を用いるのは、きわめてよろしくないと感じます。
オリンピックで7位だったら「不合格」だと感じますか?感じませんよね。入賞できなかったというだけ。
「不合格」という言葉は、受験生に「落伍者」のようなイメージを持たせてしまいます。第一志望で「不合格」と言われた受験生や親御さんが、たとえ第二志望に受かってもズルズルと引きずってしまうのはそのせいもあるのではないでしょうか。
「入試」が「選抜」に変わったことで、多くの受験生が「そうか、上から順の、単なる競争なんだよな」と感じられれば、そこに救いがある気がします。実際、「合格点」というのも変な話で、その年の難易度や受験者層で大幅に上下するわけですからね。
「合格」に代わる言葉として「(選抜)通過」はどうですかね?
「不合格」は単語としては難しいですが「通過できませんでした」とか?
理想論で言えば、ボーダーライン上の合否は単なる運でしかありませんから、点数と順位開示が一番フェアでしょうね。