何度も書いていますが、私は「自分に合う塾がベストな塾」と考えています。
鶏口か牛後か、でも書きましたけど、「属する集団で自分が常に平均以下」ってかなりつらいですし、その「集団」って「中下位」は見てくれませんからね。
「集団の中下位をこそ伸ばそう」としてくれるのは、公立小中くらいのもんですよ。
最初の塾選びは、慎重にしたいところです。
よくあるケースが「とりあえずサピ、ついていけなくなったら転塾すればいい」という安易な選択で、これは非常に危険です。
なぜなら「入ってしまった以上、なかなか抜けられない」からです。
「合わなかったら抜ければいい」と言ってる親御さんほど、サピに傾倒していきます。
サピで万年中下位なら、あっさり転塾するか退塾して自己肯定感を高めたり、あるいは受験を冷静に考え直した方が精神的にも学力的にもよほど良いのですが…。
「いったん『集団』に属してしまう」と、頭ではわかっていてもなかなか抜けられないのが人の常ですよね。
サピで万年最下位でもやめられないケースは、2通りあります。
1)親御さんが夢を見続けているケース
2)子供が辞めたがらないケース
1)は、はっきり言って教育虐待ですね。過去記事でも書きましたが、サピでは中下位は伸びません。
問題は2)のケースです。
万年中下位で、親御さんが転塾をにおわせても子供が辞めたがらないケース。
これは、2通りあります。見極めなければいけません。
本人が、課題も基礎トレも頑張っており、テストにも前向きな場合。この場合は、子供はサピの教え方が好きで、なんとか頑張りたいと思っている。まあ、それも「サピしか知らない」がゆえのしがみつきとも言えますし、もう少し基礎からやってくれる塾や個人コーチの方が伸びるケースが多いですが、本人が「努力して」いるならまだ様子見で良いでしょう。
一方、基礎トレはおろか、授業前テストの見直しもしない、要は「サピで絶対必要とされている『自学』をやらない」のに、なぜかサピをやめたくないという子は問題です。
多くの親御さんが、そこに一抹の期待を抱いてしまって「それならサピ継続」とされていますが、それは判断を誤っていると言えるでしょう。
サピについていく努力もしていないのに、サピを辞めたくないという子。
サピブランドを手放したくない子、結構多いですよ。いまや、小学校で「サピ生」ということが一種のブランド、他塾生を見下せる通行手形になっているようですからね。
あるいは、集団から離れることの恐怖で「辞めたくない」と言っているか。
このどちらかです。
子供が「サピブランドを手放したくないから」あるいは「集団を抜けるのが怖いから」という理由を言わずにただ「サピを辞めたくない」と言うと、親御さんはそれを自分の都合の良いように解釈してしまいます。「続ければ伸びるはず」と。
違います。
何度も言いますが、中下位ということは「塾の授業を半分も理解してきていない」ということなのです。それを家庭学習で埋めるならともかく、自学しないということは、お金と時間をドブに捨てているも同然です。
お金はいいです、問題は「時間」です。
時間はお金で買えませんからね。
ついていけない授業に週に十数時間以上費やし、かといって自学もしない。
だったら、「自分が伸びる授業」を受けたほうが100万倍いいのに。
子供が「サピを辞めたくない」と言っても、基礎トレすらしていないのなら、そこは親御さんが見極めましょう。
合う塾こそが、一番子供を伸ばします。