以前も書きましたが
すぐ教えるコーチはダメコーチ
です。
集団塾は「考える時間」を与えてくれませんから、ただでさえ勉強苦手な子は「考え抜く習慣」がありません。すぐ「わからない」と言います。「わからない」と言えば大人が教えてくれるからです。
子供が「わからない」と言ってきたとき、すぐに教えていませんか?
教える前に「考え抜いた形跡があるかどうか」チェックしてください。
本人が考え抜いた跡があり
それでも「ここから先がわからない」と言えるなら、もちろん教えてOK。
でも、
・本人の能力から考えて、「考えればわかるだろう問題」を、わからないと言っている場合
・さっと見て「無理」と言っている場合
は、あえて突き放すべきです。
子供は、(大人よりはスレていませんが)大人が考えるよりも意外と狡猾です(笑)。
「勉強いやだ!」と言って投げ出す子は、むしろ純粋。
「やったけどわからない」と言えば、大人は「努力はしたんだね」と思ってくれて解説してくれる。解説を聞いていれば、勉強したことになる(こういう子は、聞いちゃいませんが。だから何度でも同じ間違いをします)
いわば、「アリバイ作り」なんです。
小賢しいアリバイ作りに乗ってはいけません。
これは、もちろん数・英・理社にも言えることですが、一番は「国語/現代文」です。
ちょっと難しい文章になると途端に投げ出し「読んだけどわかんなかった」という子に「解説」をしてはいけません。それではいつまで経っても読解力はつきません。生徒と講師あるいは親塾なら親御さんの間の「勉強した/させたつもり」のアリバイ作りになるだけです。
アリバイ作りに乗っていくら解説をしようが、こういう生徒は決して一人でできるようにはなりません。でも、親御さんにしてみれば「あれだけ教えたのに」という気持ちがありますから、バトルになります。
結果として、成績が上がらないだけならまだいい。
「アリバイ作りが通用する」と誤学習した子供は、社会に出ても同じことをします。
「やったけどできませんでした」と言えば叱責はされるでしょうが、その叱責さえ馬耳東風でスルーしておけば、結局仕事のできる人間が代わりに尻ぬぐいしてくれます。
そういう人間にしてしまっていいんですか、という話です。
「靴ひもが結べないよ~」と言ってる子の靴ひもを結んであげることは、決して本人のためにならないということです。