これまでにも、親御さんの「ダブスタ」には書いてきました。
今日は「どこまで厳しくするかは目標とトレードオフです」という話を書きます。
ダブスタの親御さんは、講師に「両立しえないこと」を望まれます(苦笑
これが非常に困る。
例えていえば「一切食事制限したくないけど痩せたい」です。
個人コーチをつける場合、
・成績優秀者がさらなるレベルアップを望む
・塾についていけていないので、そのサポート
のどちらかです。
後者の場合、原因は
・能力不足(努力はしている)
・努力不足(能力はある)
のどちらかです(両方というケースもありますが)。
過去記事でも書きましたが、すごくザックリいうと
・中受は才能
・高受&大受は努力
です。
中学受験は、本人が心身ともに成長しきっていない段階でのレースになります。努力不足の場合は、後からの追い上げが可能ですが、これまでずっと頑張ってきた場合、その時点での能力をはるかに超えた目標設定はやめてあげてほしい。
一方で、能力はあるのに努力不足のケース。
これは、
・やるべきことをやれない
・楽しみを優先する
・約束が守れない
場合が多いです。で、これらはもはや「躾」の範疇なんですよ。
ですから、こういうお子さんが駆け込みでいらした場合、まずはそこからやり直さなければいけません。
ここで、トラブルが起きがちです(^^;
ダブスタで高め狙いの親御さんほど、普段はお子さんと相当熾烈なバトルしています。
こういう親御さんはもれなく「先生からもきつく言ってやってください!」と仰います。でも、その言葉を信じると馬鹿を見ます(苦笑
約束が守れない、とか。
目先の楽しさを優先する、とか。
そういったことへの指摘が、「ダブスタお母さん」には「自分の子育てが否定された!」と感じられるみたいなんですね。まあ、半分くらいは実際そうなんですけど。
ドラゴン桜にも書いてありましたが、小6までに「当たり前のことが当たり前にできるようになっている子」というのは、そのあとグイグイ伸びます。勉強法を切り替えればいいだけですからね。
でも、宿題をしない、笑ってごまかす、逆にふてくされる、教わるときに立膝タメ口、こういった子は、まずそこからやり直さないとダメです。
子供に「あるべき道」を説くと「私(の育児)が否定された!」と逆ギレするお母さんは結構いらっしゃいますが、勘弁してほしいです。
ぶっちゃけ、そういうお母さんほど、普段は「よくそこまで汚い言葉で子供をののしれるなあ」という激しさで子供を叱責しています(これは間違った指導ですけどね)。でも、他人が淡々と「いまの君はぬるい、甘えている」と指摘するのは見ていられないんでしょうね、自分のことに思えてしまうから。
当たり前のことができていない子、あるいは偏差値ギャップ10~20の高め狙いをしている子の選択肢は、2つに1つです。
・今まで通りヌルくやって、実力相応校に入る
・チャレンジ校を目指すため、厳しい道を選ぶ
どっちでもいいですよ、そこは個人の価値観なので。
でも、ヌルくやりながら偏差値20アップはあり得ないです。
スポーツや芸術なら当たり前だと思うんですけどね。
五輪選手の親がコーチ陣に「ウチの子にそんな厳しいこと言わないでください!」とクレーム入れるのは想像できないですよね。
高みを目指す、というのは孤独な厳しい道です。
そこを理解せずに子供をやみくもに「中受道」に駆り立てているケースが多いように感じますね。
ダブルスタンダードな親御さんに聞きたいです。
あなたの目標は何ですか?
偏差値20以上ギャップがあるチャレンジ校への合格ですか?
ならば、厳しい指導にも耐えられますか?
それは本人の意志ですか?
厳しい指導が嫌ならば、我が子なりに成長することでちゃんと満足できますか?