とある講師のホンネ

フリーの講師。国・数・英・理を指導中。東大卒。現在は家庭教師中心ですが、大人の文章教室なども開いています。

「東大リベンジャーズ」と「東大多浪」と「浪人回避大全」~学歴は「金メダル」なのか(1)

今日は久しぶりにリーマン時代の親友とランチしたあと、私にとってはある意味禁忌の(行ったが最後、諭吉が数枚飛んでいくのがわかっているので)「書店」に寄った。

自学のための本、生徒との授業のための本、エンタメ本、もう本当に何度「本屋ごと買い上げたい!」と思ったことか(笑)。

とりあえず今日は、はやる心をおさえて授業のための本を5冊ほど、そして目についた「浪人回避大全」を買った。

 

これはまだ半分までしか読めていないので、詳細な感想は後日。

いまのところ、濱井氏の言っている「勉強法」や「勉強への心構え」はうなずけるし、9年かけて念願の早稲田に入ったことは本当に素晴らしいと思う。

ただ、たしか彼は「早稲田を出ても9浪していると就職エントリーすらできなかった!」と、日本の「新卒市場」に異を唱えていた気がする。

それは、ちょっと違うと思う。

これに関しては、語りだすとまた長くなるので後日にします。

 

この「浪人回避大全」を見てすぐに思い出したのが、数年前の東大五月祭で買った「東大多浪」という名著(笑)。本屋さんでは買えませんので、書影で。

裏表紙に「※二浪は現役です」という註釈がありました(笑)。

さすが東大生といいますか、私も常々「合格体験記より不合格体験記の方がためになる」と思っています。これもまた長くなりそうなので別記事にしようと思いますが、成功例って意外と役に立たないんですよ(笑)。だって、スティージョブズホリエモンの体験記読んで、真似できます?(笑)できませんよね。巷にあふれる「成功体験記」は「成功する資質」を持った人の、かつまた成功例だけを書いたものですから、読み物としては面白いですが、一般化できるかというと疑問。

一方、「人の失敗談」は参考になる。

私は「しくじり先生」という番組がとても好きだったのですが、そういうことです。

この「東大多浪」は、多浪生たちが赤裸々にご自分の過去を語っておいででとても参考になるので、五月祭に行かれる機会があればぜひ。

 

そんな流れで思い出したのが「東大リベンジャーズ」(笑)。

 

「東京卍リベンジャーズ」を読んでいればネタかぶりで爆笑できますが、読んでなくてもわかるかも?

「東大あるあるネタ」に関しては、半分本当・半分盛りすぎ(笑)かな。

 

主人公(東大卒)が東大ラブなのも、かといって「(社会に出てから)群れることができない」それゆえに三田会みたいなのができないネタは真実(民間の場合なので、霞が関は違うと思うけどあしからず)。

「東大生は人の話を聞かない」は話半分かと(笑)。そもそも、人の話が聞けない人は現代文解けませんし。

主人公は「オリ合宿」に戻れれば人生リセットできると思ってるようですが、それは違うかな。。。

 

言語化するのは難しいんですけど、頑張ってみる。

 

なお、以下の文章はかなり前の話であり、現在の「東大生ということが芸能界でウリになる」時代とは全く違いますので、その点ご理解ください。

 

東大って、「東大合格がゴール」の人と「東大入って〇〇やりたい」の人が混在するわけです。それはどの大学でも多かれ少なかれそうだと思うんですが、良くも悪くも、東大の場合「合格=金メダル」感が半端ないのは事実だと思います。

ぶっちゃけ、私も「てっぺん」だから東大目指したクチですから(苦笑)。

高校ではバンド小僧でウェーイのパリピで、そのくせ「てっぺん」が欲しかっただけの底の浅い人間でしたから(苦笑)。「合格=金メダル」とれて、あとは「NASAに行きたい」とかふざけたこと言ってましたが。

 

入学後、本当に「東大はほかの大学と全然違う」ことを体感しました。。。

 

もちろん、東大にも私のようなウェーイ系つまりパリピはそこそこいました。

でも、東大では「ウェーイ系でパリピだから尊敬される」ことはなかったです。。。

いや、たしかにそういうタイプは「好かれて」はいましたが。

(その頃の)東大でみなの尊敬を集めるのは「まじめで、成績がいい人」。

普通の学園ドラマや漫画だと、「ちょっと道を外れてるやつ」が好かれるのが王道ですし、なんなら出身高校でもそういうヤツが人気でした。

でも。

東大では全然!!!!そんなことはありませんでした(苦笑)。

 

 

東大は、東大だった。。。と痛感しました。。。

容姿がいいとか、ノリがいいとか。

そういうの、全然通用しない世界でした。。。

 

(今は、東大生がばんばんテレビやyoutubeに出てますから、あの頃とはまた違うと思いますけれども!)

同じ高校の親友が早稲田に進学し、イベント系サークルでウェーイして学内でも羨望されている様子を見て、我彼の差を感じました。。。

 

東大は確かに「金バッジ」かもしれません。

ですが、これは以前にも書きましたが、その「金バッジ」は万能ではないです。

実際、私も「地元じゃ負け知らず」が「上には上が知る」を知り、初めて挫折と謙虚という言葉を覚えましたが、就職戦線では再び「負け知らず」でした。

そこでは再び学内での学力による評価が反転し、私みたいなアホなパリピが内定バンバンいただく一方で、私よりもはるかに頭の良い同級生が、バブルにもかかわらず内定取れないのもたくさん見てきました。

その、「入口」に限って言えば、たしかに東大は「金バッジ」だったかもしれません。

なのに、いざ社会に出ると、その「金バッジ」が邪魔になることが多かったです。

「東大リベンジャーズ」にもありましたが、「東大出」ということだけでいらぬ反感を買ったり、勝手にハードルが上がったり。金バッジ「だけ」で会社に入ってきた子が実社会と折り合いがつけられずに挫折して辞めていったのもたくさん見てきました。

 

何が言いたかったのかな(笑)

あらためてまとめてみると

・たしかに東大は「金メダル」かもしれないが、

 金メダルとれればOKと思っていると入ってから辛いかもよ

・金メダル『だけ』で世の中渡っていけないよ

・そこまで勉強好きなら、大学に残って研究したほうが

 自分のためにも、世の中のためにもなるかもよ

ということでしょうか。。。

 

ちなみに、「東大リベンジャーズ」の井丁道武は、「オリ合宿までもどればリベンジできる」と思ってるようだけど、それは違うぞ(笑)。他人と適切な距離感を持って良好なコミュニケーションが取れる能力は、中高生までに学ぶべきこと。井丁道武がリベンジしたかったら、少なくとも高校一年生まで戻ったほうがいいんじゃないかな。

さらにちなみに、私はもし「リベンジ」ができるんだったら、東大合格「前」できれば高校1年生に戻りたいですね。もっとちゃんと真面目に勉強をして、東大に入って学ぶことの意味をわかってから入学したかったです。