手に職をつける、これ最強。
歳をとるごとに実感します。
「なんでもできる」は「なんにもできない」。
「少しでもヘンサチの高い大学/高校/中学に」と思う気持ちはわかる。
わかるんだけど。
いわゆる「総合職」として「就職」するには偏差値だけでは不十分。
なぜなら、総合職には「組織の中でうまく働く能力」が不可欠だから。
偏差値さえ高ければ良いところに就職できるなんていうのは受験ギョーカイが振りまいた嘘です。詐欺です。同期の東大生でも、文字通り勉強しかできなくて就職できなかった人はたくさんいました。
「総合職」って、要は「替えが効く」んですよね。
学力もそこそこ高く、人当たりもよく、どんな仕事でも一応こなせる。
こういうタイプの場合、その会社で生き残れればOKですが「転職」が難しい。
だって「そういう人」は世の中にとても多いですから。
何度か書いていますが、私には中卒・高卒・専門卒の「専門職」の友人が結構います。
彼ら/彼女らは、専門を極めているので仕事にも困らないし、生活も豊かです。たしかに超都心には住んでいませんが、そのぶん可処分所得はそう変わりません。中高生時代に自分の向き不向きを見極め、無理に都心に住もうとはせず専門性に進み人生を謳歌している彼らを、私は心の底から尊敬しています。
大会社でもガンガンリストラをしている昨今、たぶん一番困るのは「学歴頼みで就職して、専門性を身に着けてこなかった『どこでもやっていける(と自分だけは思ってる)』タイプの人だと思う。
専門性を持たず「そこそこの学歴&自分と言う総合力」をよすがにしていると、会社に生殺与奪を握られることになります。ぶっちゃけ、会社がリストラするときに真っ先に対象にするのはこういうタイプ。
転職市場での強さは、体感としては
「卓抜した学歴&人間性の持ち主」=「高い専門職」>>>>>>「そこそこの学歴頼みの総合職」
と言ったイメージです。
ぶち抜けた学力があり、かつ人間性も強ければ最強。
学力は全然なくとも「その業界」でスゴイスキルを持っていれば、これまた最強。
学力が突き抜けているわけでもないのに、なんとなく「そこそこ」の学歴にすがってしまい、専門性を身に着けなかった人が転職市場では最弱です。
私自身、自分の「学歴&総合力」を頼みに過去ン十年仕事をしてきました(一回転職しました)。トップセールスを誇っていましたが、やっぱり会社に生殺与奪を握られているのはしんどかったですね。仕事とは別に「社内政治」を考えなければいけないのが非常にストレスでした。売り上げを上げたら上げたで「上げてない人」への配慮が必要とか、「それまでのトップ」を抜いてしまったことに配慮しなきゃいけないとか。あほらしいです。今は「スキル」を使って仕事をしていますので、そういうストレスからは無縁です。
なんでこんな話をグダグダしているかと言いますと。
前にも書いたんですが、「明らかに勉強に向いてない子」にいたずらに受験勉強を強いることの弊害がこういうところに出ているなと思うわけです。
発達障害の子に中受を強いるのがその筆頭。
発達障害の子にひたすら勉強させて、そこそこ偏差値は上がっているけどぶっちゃけ将来就職できないだろうなという子をしばしば見てきました。ブチ抜けていて「就職」なんてせずに自分で起業できるようならいいんですけどね、多くはそうではありませんでしたね。
「学歴」があったとしてもそれ以外のスキルがゼロの場合、周りのフォローなしには仕事にならない。周りはそのフォローでどんどん病んでいきます(経験談)。
「学歴」を手に入れる前に、やるべきことがあると私は思います。