中受はスッパリと今期限りにしようかと考え始めました。
まあ、正確には、数年先まで予約が入っているので、それが終わったら、ですが。
理由は、ストレスが半端なくなってきたからです。
以前の記事にも書きましたが、年々「受験どうこう以前の生徒」は増える一方。
専門家ではありませんから診断は下せませんが、発達障害だろうなと感じる生徒が、集団塾では無理で個人コーチに流れてきていますね。
そういう子を受け持った場合、まず授業を成立させるために多大なエネルギーを要します。それだけならまだしも、疲弊するのは親御さん対応。
思うに、中受時点では、「親がまだ諦めきれない」状態なんですね。
高校受験や大学受験においては、もう子供も親の言うこと聞きませんし、なんなら親が論破されることすらある。また、親のほうも自分の子の実力が見えてきて、そう無茶は言わなくなる。だいたい親離れが済んでますので親御さんも任せてくれますし、授業では純粋に勉強だけに取り組める。
でも、中受ではそうはいきません。
・偏差値にして20以上上の学校を望み続ける親
・四則演算もままならないのに、御三家準御三家を諦めない親
・本人にまるでやる気がないのに、「やる気を出させるのは指導者の仕事」だと誤解している親
・躾がまったくできていない小6生
・指示がまったく入らない小6生
・どんなに嚙み砕いて話しても、それ以前に会話が成り立たない小6生
・1分ごとに起こさないとすぐ寝る小6生
・タブレット育児をされてきた結果、小6なら知っていて当たり前の語彙(「顔から火が出る」「ごまをする」など)を知らない状態で御三家受からせろという親
エトセトラエトセトラ。
どう考えても無謀。
乳幼児に走れと言っているようなもの。
それがまかり通るのが、中受業界なんです。
こういうご家庭を「カモ」ととらえる塾や家庭教師も存在します。
というか、むしろそのほうが多いでしょう。
実際、家庭教師2人体制の場合、もう一人の家庭教師が、下手をすれば毎日授業を設定する、要は押し売りをするケースも多々ありました。
怪しげな民間療法と一緒。
そういうことをすれば、目先の金はいくらでも入ってくるんでしょうが、私は無理。
なぜなら、教育虐待という、子供の不幸に直結しているから。
「二月の勝者」に描いてあったように「煽ればいくらでも金を出すお客様」とは考えられません。辛くなってしまうのです。
中受が青天井の課金ゲーになってしまいがちなのは、親御さんがまだ自分の子供の「実力」を受容できていないからだと思います。
中受に「失敗」とかないと思っていますが、志望校に落ちて、それでも中受時と同じエネルギーで「リベンジ!」と言う親御さんは、まあいるにはいるんですけど、割合にしたら多くはないですね。
だいたい、あのお祭りのような熱狂した中受を経ると、冷静になります。
つまり、「わが子も〇〇に入れるかも!」という希望が無理なことを悟るのに、「チャレンジ校に落ちること」が必要になるわけです。
大多数の親御さんは、そこで目を覚ます。
言い換えれば「親が諦めるための時間」になってしまっているんです、割と多くの中受生の小4~6の3年間が。
もったいなくないですか?
二度と戻ってこない、小学生という時間が。
子供自身も無謀なチャレンジを諦めきれていないなら、いいのです。
いくらでも応援します。
でも、「『親が諦めてくれる』のを待つだけの子供」を、私は飯のタネにはできない。
死んだような目をして、ただ2/1までの時間をつぶしている子たちをたくさん見てきました。
このブログでもさんざん書いてきたように、自分なりに親御さんたちを説得しようと試みてきました。でも、そろそろ無理かな…。
中受の親御さんは、よく「チーム〇〇(←生徒の名前)ですよね!」と仰るんですが、それもちょっと受け付けなくて(^^;
トップアスリートにコーチが数名体制というのはわかるんですが。
小学生一人に、父親母親のみならず、塾、さらに個人コーチと大人が総がかりになっても当の本人はどこ吹く風、のようなケースも結構あります。
正直、ちょっとどうかと思う。
そこまでしても本人がやる気にならないのなら、それは「時期」が来ていないだけ。
そういう子だって、中高になっていずれ自分の人生考えるようになったら、多かれ少なかれ「やる気」になります。
つらつら考えていて、小学校の先生の成り手がどんどん減っているのがわかる気がしてきました。
だって、(数年先まで予約が入っているからすぐには無理だけど)私ですら、中受指導辞めようと考えただけでこんなに気が楽になるんだから。
個人コーチと塾講師や予備校講師は、ギャラが3~4倍違います。
それでも集団授業の講師を選ぶ人の気持ちが、ようやくわかりました(^^;
今入っている予約を責任もって教え終えたら、しばらく充電するか、予備校講師に応募しようかと考えています。