とある講師のホンネ

フリーの講師。国・数・英・理を指導中。東大卒。現在は家庭教師中心ですが、大人の文章教室なども開いています。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

伸びない子の「家」は床が見えない

もちろんすべてに当てはまるわけではありませんが、伸びない子のお宅は「床が見えない」ことが多かったですね。 家の広い狭い、とは別の問題です。 まあ確かに家は広いに越したことはありません。自分の場合は、居住空間が狭いと頭の中までごちゃごちゃして…

「サピックスでは伸びない子」とは

「信者」がもっとも多いサピックスに関してこの記事を書くのは少々覚悟がいりますが、だからこそ書かなければとも思います。 以前も書きましたが、私は「塾ナシ」の生徒さんと「塾と併用」の生徒さんをお預かりしていますが、「塾と併用」の生徒さんの塾の多…

効果があった参考書&問題集(1)国語編・

うちには6畳の「書庫」があります。大工さんに作ってもらいました。 学校や集団塾の先生なら「自分のやり方」を通すことが許されているんでしょうが、我々はオーダーメイド。偏差値30~70と幅広いご依頼に応えるには、教材研究が欠かせません。まあ、勉強オ…

子供の前で言ってはいけない言葉

子は親の鏡、とはよく言ったものです。 長年私塾経営や個人コーチをしていて、つくづく「子の親にしてこの子あり」は真実だなと感じています。良い意味でも悪い意味でもね。 今回は「子供に間違った価値観を植え付ける」という観点から「言ってはいけない言…

子供が辞書を好きになるゲーム

今日は、先日思いついた「辞書を好きになるゲーム」をご紹介します。 タイトルは「子供が」となっていますが、中高生も大いに活用できるゲームです! 前置き)なぜゲーム形式が良いか 1)辞書ゲーム 2)和同開珎・漢字クイズ 3)このゲームをやるときの秘…

ドラマにおいて「毒親」が許されてしまう不気味さ

ドラマにはよく「毒親」が出てきますね。でも、その毒親がきちんと断罪される展開って少なくないですか? コロナ禍で、以前はほとんど観なかったテレビドラマを見るようになりました。私らの仕事っていわゆるゴールデンタイムが就業時間なので(笑)、テレビ…

コーチを頼む前に最低限しつけをしてくれ

塾に入れたりさらに課金して個別や家庭教師を頼む前に、なんで最低限の「しつけ」をして「教わる姿勢」を整えてから来ないのかな…という家庭にたまに遭遇するとげんなりします。 無理だから愚痴ってるわけじゃないです。「問題児」の扱いはお手の物。実社会…

「コツを教えてください」と言う子は伸びない

ときどきいるんですよね、安易に「コツを教えてください」「コツ、ないですかね?」という生徒。内心、ムカッとします。なぜムカムカするんだろうな、これは私が大人げないのか?と悩み、ちょっと分析してみました。 「コツ」に関する話が嫌いなわけじゃない…

「やればできる子!」は禁句

あなたは『やればできる子』なの!」と我が子に言ってませんか? それ、禁句です。 「二月の勝者」の中で最高の毒親・今川理衣沙ママ。 「吉女は無理」という理衣沙に向かって「あなたはやればできる子なの!」と般若の顔で迫ります。もうほんと、理衣沙はグ…

「人がいい」親御さんの子が伸びる理由

これまで教え子が「とんでもない覚醒」をする瞬間に何度も出会ってきました。 彼らのことを思い出すと、共通点がありました。 それは「親子そろって人が良い」ということです。 「人が良い」と聞いて、何を思い浮かべますか? 「カモ」「損をする」と思い浮…

伸びる子、伸びない子の違い(2)算数の伸びしろ見極めポイント

「伸びしろ」は、現在の偏差値とは関係ないです。特に中受の場合。 あの特殊な世界は、先取りしてればそれなりに点は取れます。 でも「先取り」で利益の先食いしていた子たちが5年後半あたりから地滑りしていくケース。これは「向き不向き」を見誤った結果…

我が子をつぶす親:受験ギャンブルで苦しんでいる親御さんへ

今回は「わが子にここまで強いる私はおかしいのではないか」「悪いとわかっているけどやめられない」方向けの記事です。 教育関連BBSやそのほかSNSを見ていると、「受験ギャンブル」にハマっている親御さんは大きく2つに分けられるなと感じました。 ・この…

丸善「中受フェア」に行ってきた。

先日、丸善お茶の水店「中受フェア」に行って「その棚の本、全部くださる?」をやってきました(笑)。 そして「スマホ脳」の影響で「スクリーンタイム」が極端に減った分、積ン読になっていた本を一気に読めました。ジャンルもバラバラですが備忘録として感…

「諦めたらそこで試合終了ですよ」は果たして正しいのか?~「スラムダンク」と「ホイッスル!」と「ドラゴン桜」と「二月の勝者」

めちゃくちゃ長いタイトルになりました(笑)。 スラムダンクは、名言の宝庫ですよね。 「諦めたらそこで試合終了ですよ」 「俺はなぜあんな無駄な時間を…」 「左手は添えるだけ」 最後は違うか(笑 今回は、スラムダンク最高の名言とも名高い「諦めたらそこ…

大人の目が4つは多すぎる、ましてや…

一人っ子だと、どうしても両親の目が集中してしまいますよね。 兄弟姉妹がいると、そちらが叱られている間に「しめしめ」と一息つけたり、「父ちゃん母ちゃんの地雷は何か」を学んだりできます(笑)。 私は一人っ子ではないので想像するしかないのですが、…

教育虐待 やめてみたら うまくいく

このところ、教育虐待関連の記事が多くなってきましたので、ここらで一度「なぜ私が教育虐待にこだわるのか」を整理しておこうと思います。 ・教育虐待をやめると、かえって子供が伸びることを知ってほしいから ・単純に「見ていられない」から ・幸せと学歴…

もしかしてそれ「教育虐待」?

受験ギャンブルに取り込まれて我が子を潰さないためにはどうしたらいいか。 一言で言うと客観性。 つまり「いま自分がわが子にやっていることを、自分が夫/妻/会社の上司からやられたらどう感じるか?」「いまの私を他人が見たらどう見えるか?」という視点…

「二月の勝者」のウソ(3)~母親の狂気で受かる?

人気中受漫画「二月の勝者」の冒頭に、難関校に受かった小学生に向かって「自分の実力だと思いあがるな。君らが難関に受かったのは『母親の狂気』と『父親の経済力』だ」と言い切るシーンがある。 いや、まずいでしょそれ(苦笑)。 漫画を盛り上げるためだ…

家庭教師の選び方(1)~センターのサイトはここを見るべし~

以前、こんな記事を書きました。 ・本気なら5年生でセンターに「予約」するべし ・個人契約はお互いリスキー ・ベストは先輩ママの紹介 mikoto2020.hatenablog.com 今回は「どのセンターを選ぶか」での意外な盲点を書きます。 1)まずは、目的を絞ろう 2…

ひと味ちがう、「攻める」定期テスト対策はいかが?(1)

今日は、国公立中&都立一貫中高の定期テスト対策を考えてみます。 テスト範囲の問題演習や授業ノート見直しが、一般的でしょう。 もちろんそれらも有効ですが、さらに一歩進んで 能動的な、攻めるテスト対策 はいかがでしょうか。 それはズバリ「予想問題を…

伸ばす親、つぶす親(3)~NGチェックリスト~

このシリーズの過去記事はこちらです。 mikoto2020.hatenablog.com mikoto2020.hatenablog.com 過去2回と多少かぶりますが、これまで見てきた「つぶす親」の共通点を整理・加筆修正しつつ、改善策を「伸ばす親」の事例から読み取ってみたいと思います。 つ…

「ミス」をどう防ぐか(2)~具体策編

ミスというものについて、心構えや日常生活の改善余地についてはこちら。 mikoto2020.hatenablog.com 今回は、主に算数/数学のミスを防ぐTipsを書こうと思います。一つでもご参考になればよいのですが。 1)問題を音読する 2)問題に必ず線を引きながら読…

転塾・退塾の見極め

難しい問題ですね。 mikoto2020.hatenablog.com ここでも書きましたが、本人の性格によるところが大きいです。 ただ、私は声を大にしていいたい。 本末転倒になっていませんか? 「鶏口か牛後か」でも書きましたが、そこが本人の「なにがなんでも」のゴール…

「ミス」をどう防ぐか(1)~心構え編

ミス。 これに頭を悩まされたことのない人は皆無に近いのではないでしょうか。 かくいう私も、もちろんその一人。 私の場合は「テストでのミス」はほとんどないのですが、日常のミスがすさまじかったです…。好奇心が強く、常に前のめりで生きてきたので「後…

「できる子」と「できない子」はここが違う(2)~丸付け、概算~

(1)は↓に書きました。 mikoto2020.hatenablog.com 関連する記事はある程度まとめて書くよう心がけていますが、書下ろしの本を書いているわけでもないので、散発的になってしまう点はご容赦ください。 今回は、「丸付け」「概算」の2点について書きますね…

二月の勝者のウソ(2)~「一発勝負だからフェア」?

中学受験を選択する理由は人それぞれですが、その中に「公立では内申が勝負だから不公平」というものがありますね。人気漫画「二月の勝者」の黒木先生の演説にもあり、あの漫画の中で父兄たちはそれに魅了されていました。果たしてこれは真実なのでしょうか…

伸びる子、伸びない子の違い(1)~小学四年生で将来が決まるのは残酷なのか?

9歳の壁という言葉はご存じの方も多いでしょう。 ドイツでは小4でざっくりとした将来のコースが決まるそうですが、9~10歳であることは偶然ではないと思います。 小4くらいで、だいたいは学力の伸びしろはわかってしまう。これは、小学生を教えたこと…

伸ばす親、つぶす親(2)~講師との関係~

前回は、主に親子の関係について書きました。 mikoto2020.hatenablog.com 今回は「家庭教師との対応」に絞って書きます。つぶす親についての話がメインです。比較対象として、伸ばす親がどういう対応かはそれぞれ末尾に書きますね。 1)つぶす親は、話が長…

低学年から塾に入れることのリスク(2)~「先取り」は無意味

「小4からでは席が取れないかも」という不安から、あるいは「先取りさせれば有利」という完全に間違った考えから、大手塾の低学年枠が瞬間蒸発の勢いで埋まっているそうですね。前回は、低学年に限らず「塾が勉強のすべてになることの大きなリスク」につい…

「ドラゴン桜」の功罪

最初に断っておきますが、私は「ドラゴン桜」の大ファンです。何度読んだかわからないし、何度泣いたかわからない(笑)。 「ドラゴン桜」からは青少年への真の愛情を感じますし、エールを送ってらっしゃるのだとわかります。「ドラゴン桜」を読んだ人たちの…