とある講師のホンネ

フリーの講師。国・数・英・理を指導中。東大卒。現在は家庭教師中心ですが、大人の文章教室なども開いています。

中学受験

お前が言うな

一年近く空いてしまいました。 その間も、見に来てくださったりコメントをくださったりした皆様、ありがとうございます&すみません。 やっとほぼすべての教え子たちも第一志望に合格し、今年の受験も一段落したので、またちょいちょい書いていこうと思いま…

偏差値40の真実(1)~「偏差値40でも小学生全体で見たら優秀」のウソ

過激なタイトルですみません。 でも、いつか書かなければいけないと思っていたことを少しずつ書いていこうと思う。 「偏差値40と言っても『中学受験する優秀な集団』の中での偏差値だから小学生全体で見たら上位!」 ウソだらけの「二月の勝者」でも黒木がし…

「二月の勝者」の迷走とおおたとしまさ氏(4)

今回で、このエントリーは一区切りにしたいと思います。 なぜかと言えば、 ・自分たちの著書を売るためのポジショントーク ・肝心の子供不在の中受礼賛 に対して真剣に考えるのがナンセンスに思えてきたからです。 というわけで、最後のツッコミを。 多少こ…

「二月の勝者」の迷走とおおたとしまさ氏(3)

前2回の記事はこちら。 mikoto2020.hatenablog.com mikoto2020.hatenablog.com 「二月の勝者」とはややズレるのですが、くだんのインタビューに関連しておおた氏の著作に対し冷静に分析されているブログを見つけました。 www.yuuki-sennsei.com ご自身が過…

「二月の勝者」の迷走とおおたとしまさ氏(2)

前回の続きです。 mikoto2020.hatenablog.com 前回も書きましたが「塾の特待生は【搾取】をしている」という言葉がショッキング過ぎてまだモヤモヤしています苦笑 そもそも、自分が払ったお金を相手がどう使うかに文句をつけるのってとても浅ましいと思うん…

「二月の勝者」の迷走と、おおたとしまさ氏(1)

久しぶりにビッグコミックスピリッツを読んだら、なんだか「二月の勝者」が「あれれ?」な方向に進んでいた。 その理由が、作者を含む三者のインタビューでわかった気がする。 toyokeizai.net 正直、怒りと呆れを禁じ得ない。 以前も書いたが、私は特定の記…

「二月の勝者」に覚える違和感。~子供を泣かせて「本気になった」と喜ぶ大人たち~

一か月以上空いてしまった…。 実生活でいろいろあったわけですが、毎日何かしら思うところはあるわけで、そういうのを気軽に書けるようになりたいとも思う。 自分の場合、まだブログ慣れしていないのか(笑)、ある程度考えがまとまってから書くべきなんでは…

ワンオペ受験のほうが「成功」するかも

世間の逆ですが、別にいわゆる「逆張り」を狙っているわけではありません(笑)。 自分自身の経験、並びに同業の友人知人から聞いた話などから 「実は『ワンオペ受験』のほうがより成功するケースも多い」と感じたので、「うちはワンオペ受験だからきっとう…

中受算数の用語にモヤモヤする瞬間。

中受の算数入試問題は、 1)言葉の定義があやふや ・「2で何回割り切れますか」問題 ・「赤い球と白い球の取り出し方は何通りありますか」問題 2)三角形の合同を証明しないでも使える 3)「何度出会いますか」問題 4)ほかにもいろいろあるけど ところ…

子供はなぜ親の言うことを聞かないのか

「ミコト先生の言うことなら聞くんです。私も同じことを言っているのに…」 この仕事をしていて、毎回言われる言葉です。 親御さんの身になってみれば、同じことを言っても家庭教師のいうことは素直に聞くのに自分の言うことはバカにするとなるとモヤモヤされ…

「勉強法ジプシー」になってはいけない

1)「勉強法ジプシー」とは 2)なぜ「勉強法ジプシー」になってはいけないか 3)それでも「バクノビ」したいなら 1)「勉強法ジプシー」とは 私がさっき思いついた造語です(笑)。 簡単に言うと 「どこかにまだ見ぬ素敵な『勉強法』があって、自分は(…

算数と数学はプロに「丸投げ」すべき

数学の不得意な親御さんはもちろん、得意な親御さんも「プロ講師の境地になれない限り」、こと算数/数学については「親塾」はやめて欲しい。 1)算数/数学が不得意な親が「親塾」をすると 2)算数/数学が得意な親が「親塾」をすると 3)じゃあ、親は何を…

子供のスケジュールを「パンパン」にしていませんか?

わが子のスケジュールに30分「すきま」があると気になる―――そんな親御さんは要注意です。 というか、危険水域に来ていると思います。 このブログは「本音ブログ」ですが、矜持として現在~数年前に担当している生徒やご家庭のことは書かないと決めています。…

なぜ人目が気になってしまうのか

小中高生を教えていると、 自意識過剰なため学力が伸びにくいケース に、よく出会います。 1)なぜ自意識過剰がなぜ学力の伸びの障害になるのか 2)実は他人は「私/俺」のことなど目に入っていない、のだが 3)「他人が自分のことを目にも入れていない」…

「自己肯定感」という言葉は間違って使われている

「自己肯定感」の言葉を目にしない日はないと言っても過言ではない気がします。 でもこの言葉、中受界隈では明らかに間違って捉えられている気がしてなりません。 新規のご家庭からよく言われるのが 「ウチの子、自己肯定感が下がっているので褒めて伸ばして…

国語(または英語)が苦手な生徒は「問題集」を解いては絶対にダメ!

国語が苦手な子、あるいは英語が苦手な子。 理数系以上に困り感を抱えていると思います。 塾でも個別でも「国語は時間がかかりますからねえ」と言われ、いろいろなテキストや問題集を指示され、やってみるけど効果が上がっているように思えない。 あるあるで…

間違いから学ぶ生徒・学ばない生徒~「バツの分析」こそが実力を伸ばす

問題を解けなかったとき。 あるいは、解いたけど間違えたとき。 「それにどう向き合うか=的確にバツを分析できているかどうか」 でその後の伸びが決まると言っても過言ではありません。 伸びる子はこれができていますし、あるいは指導によってバツの分析が…

【和文和訳】という勉強法はいかが?~国語・現代文を「テキトー」に済ませている諸君へ~

今日はちょっと嬉しいことがありました。 「ミコトの授業を受け始めてから、学校の授業を面白く感じるようになった!だから学校の授業も馬鹿にせず真剣に受けるようにしたら、たくさん『発見』があった!」 と言われました。 コーチ冥利に尽きるとはこのこと…

「正しい予習」の仕方

以前書いた記事にご質問をいただき、あらためて読み直してみました。 mikoto2020.hatenablog.com いささか舌足らずだったような気がしますので、自分の考えを整理するために再度掘り下げてみたいと思います。 1)小学生の場合「解法予習(先取り)」は逆効…

下の子の方が「できる」のは当たり前。

1か月以上も空いてしまいました(汗)。 日々考えることは多く、毎日心の中でブログ記事を書いていたようなものですが、なぜかアップできず。 またマイペースで書いていこうと思います。 さて、前回記事に嬉しいコメントをいただきました。 mikoto2020.hate…

鶏口か牛後か2~牛後に何を求めるのか?

ようやく2022の中受も一段落ですね。 1日前後のバタバタの間も書きたいことはどんどん増えていったのですが、想いがつのるとかえって書けないパターンで、ようやく落ち着いてブログに戻ってきた次第です。 以前、鶏口と牛後について記事を書きました。 miko…

「机を蹴るサ〇講師」はなぜ炎上しないのか

一応伏字にしました(笑)。 いや~、中受の過熱凄いですね! 校舎によっては小1でもキャンセル待ちらしいですね! ここで一句「そんなにいそいでどこへいく」。 だからなのか、ちょっと最近の塾講師って勘違いしてるな~と思う事例をしばしば耳にします。 …

こりゃダメだ

私は生徒は見切りません、絶対に。 でも、失礼ながら親御さんを見切るときがあります。 今日はそんなお話。 私は中学受験から大学受験、さらに社会人の方まで教えていますが 中学受験のサポートのギャラは倍もらいたくなってきましたね(笑 中受は親対応のカ…

「こんなはずでは…」にならないために

前回は、ちょっと辛辣すぎたかもしれません。 まあ、事実ではあるのですが。 mikoto2020.hatenablog.com なぜ↑のような辛辣な記事を書いたかと言うと 現5年生や、はたまた現3・4年生の子供の教育虐待や親御さんのストレスを少しでも減らせればという想い…

「こんなはずじゃなかった」となる理由は○○です

新年あけましておめでとうございます、という言葉を書くのもお恥ずかしいくらい間が空いてしまいました(^^; 本番が近づき多忙だったこともあるんですが、本番が近づくにつれ「中学受験、ここがおかしい」という想いがふつふつと沸き、かえってブログが書けな…

「『かわいそう』と言うな」と言うな

ドラマ「二月の勝者」が終わり、ちょっとホッとしています。 このドラマは原作と同じく「『中学受験は素晴らしい』一色」だったからです。 たかがドラマに…と思われると思います。 たとえば野球漫画や野球ドラマで「球界の闇」は描かないでしょう。 エンター…

「発達障害は偏差値で埋めればいい!」は危険

おかげさまで、11月に新年度予約が次々と入り早くも2022年は満了になりました。 来年は無茶振りな中受案件がなく、望み通り中高校生指導に戻ったのでホッとしているところです。 今日は、以前からずっと引っ掛かっていたことを書きます。 近年、とみに増え…

「『二月の勝者』はゴールがたくさんあるからいい」という誤解~結局ゴールはひとつ

以前、こんな記事を見ました。 「東大一辺倒の『ドラゴン桜』に比べて、『二月の勝者』は子供の数だけゴールがあるからいい」というものでした。 私は、残念ながらそれは違うと思います。 「二月の勝者」は結局、御三家、いえ開成&桜蔭をベストゴールとする…

東京は子育てに向いていないんじゃないだろうか

過熱する一方の中学受験の指導をしていて、日々思うことがある。 それは、東京という特殊な街は、子育てには向いていないんじゃないかということだ。 理由はいろいろあるんだけど、一言で言うと 「〇〇をしていい場所」が非常に細かく決められているというこ…

動画中毒の子供たち~「ウチは大丈夫!」は危険

ここ数年「子供が動画中毒で困る」という相談が急増しています。 (「ウチは大丈夫!」は残念ながら通用しません。これは最後に書きます) さて、急増している相談とは。 たとえば もう6年なのに、隙あらばタブレットでYouTubeを見ている、取り上げると暴れ…