前回は、ちょっと辛辣すぎたかもしれません。
まあ、事実ではあるのですが。
なぜ↑のような辛辣な記事を書いたかと言うと
現5年生や、はたまた現3・4年生の子供の教育虐待や親御さんのストレスを少しでも減らせればという想いからでした。
この界隈は、一部に教えたがりの方がいるものの、基本的にはみな「お口チャック」です。良い情報は独占したがるのが当たり前です。現に、私も生徒さんの親から「個人コーチを付けていることは誰にも言わない。ミコトを紹介しろと言われるのが目に見えているから」と面と向かって言われ、面食らうことがしばしばです(笑)。いや、そこは紹介していただけないですかねえ。。。
話が逸れました。
要は、あれです。
素人が株を始めるときに、心理状態がすごく似ているんですよ。
誰もが「自分だけはうまくやれる」と思っている。
世の中、株で素寒貧になった人間のほうが多いのに「これから始める人」はみな「自分だけは『億り人』になれる」と思っている(註:安倍政権相場では多くの個人投資家が億稼ぎ、その人たちを「億り人」と呼ぶらしい)。
恋愛や結婚とも似ていますね。
だめんずに騙された女性のエピソードを読んでも「自分はそんなだめんずにはひっかからない」と思う。
中受も一緒です。
なぜか、始めるときに「わが子のダメなところ」は受験を経験したら改善して望みうる最高の結果が出ると夢見てしまう人が多いのです。
これは、ギョーカイの闇も大いに絡んでいます。
中受業界は、ほとんど証券会社の営業と変わんないです。
「あなただけはもうかる=いい学校に行ける」
「今始めないと間に合わない」
と煽るわけです。
二月の勝者の黒木なんてまさにこれですね。
何度も書いていますが、中学受験は
・ずば抜けた才能で浮きこぼれている子
・超富裕層
以外が気軽に手を出すと弊害の方が大きいゲームだと思っています。
なぜなら、多くの「普通の子」にとって中受の受験勉強はまったくと言っていいほど意味がないからです。
中受は算数の比重が非常に大きいわけですが、受験しなくても公立中学で代数を習えば普通に解けるようになる問題をアクロバティックに解いたり、オームの法則をやらずに発熱量の計算をするのなんかは、本末転倒すぎるわけです。
そういうアクロバティックな「中受算数」を3年間やり続けてきた子が、中学高校であっという間に「数学が苦手」になっていくのは一見不思議ですが、よく考えたら当たり前です。
なぜか。
進学塾では「考える時間」を与えないからです。
比や速さといった新しい概念すら導入は5分、そのあと延々問題を解かされる。
一問に3分以上かけることは許されない。
一部の天才を除いて、そんなやり方で思考力がつくわけないじゃないですか。
こちらの方のブログがまさに我が意を得たり、でした。
中受算数がいかに無駄か、は長くなるのでいずれ別記事で書きます。
繰り返します。
ギョーカイは「今やらないと間に合いませんよ?」と煽り、マーケットに呼び込みます。株屋は、株が上がっても下がってもいい、株式市場が閑散とするのが一番困るのとまったく一緒です。
これから受験沼に漕ぎ出そうとされている親御さん方へ。
自分だけはうまく我が子を導いて良い結果にたどり着く、と思うのは危険です。
現6年生ブログなどを見ていて「うちはああはならないわ」と鼻で笑う方ほど、一年後には同じ轍を踏まれていることが多いです、経験上。
よそに起きることは我が家にも起きる。
計画は半分どころか三分の一実現できれば御の字。
そう考えましょう。
受験が終わるその日まで。
自分のことですら計画通りには絶対運ばないのですから、ましてや相手が小学生では計画通りに運ぶことを「100点」だと考えると、計画通りにいかないことに数年間ストレスを感じ続け、そしてそのストレスが子供を潰すことになりますから。
そういう「ハンドルの遊び」を持っていることが、10歳前後の子を、必ずしも必要ではない中学受験をさせる大人としてのい最低限の責任だと思っています。