とある講師のホンネ

フリーの講師。国・数・英・理を指導中。東大卒。現在は家庭教師中心ですが、大人の文章教室なども開いています。

2021-01-01から1年間の記事一覧

大人の目が4つは多すぎる、ましてや…

一人っ子だと、どうしても両親の目が集中してしまいますよね。 兄弟姉妹がいると、そちらが叱られている間に「しめしめ」と一息つけたり、「父ちゃん母ちゃんの地雷は何か」を学んだりできます(笑)。 私は一人っ子ではないので想像するしかないのですが、…

教育虐待 やめてみたら うまくいく

このところ、教育虐待関連の記事が多くなってきましたので、ここらで一度「なぜ私が教育虐待にこだわるのか」を整理しておこうと思います。 ・教育虐待をやめると、かえって子供が伸びることを知ってほしいから ・単純に「見ていられない」から ・幸せと学歴…

もしかしてそれ「教育虐待」?

受験ギャンブルに取り込まれて我が子を潰さないためにはどうしたらいいか。 一言で言うと客観性。 つまり「いま自分がわが子にやっていることを、自分が夫/妻/会社の上司からやられたらどう感じるか?」「いまの私を他人が見たらどう見えるか?」という視点…

「二月の勝者」のウソ(3)~母親の狂気で受かる?

人気中受漫画「二月の勝者」の冒頭に、難関校に受かった小学生に向かって「自分の実力だと思いあがるな。君らが難関に受かったのは『母親の狂気』と『父親の経済力』だ」と言い切るシーンがある。 いや、まずいでしょそれ(苦笑)。 漫画を盛り上げるためだ…

家庭教師の選び方(1)~センターのサイトはここを見るべし~

以前、こんな記事を書きました。 ・本気なら5年生でセンターに「予約」するべし ・個人契約はお互いリスキー ・ベストは先輩ママの紹介 mikoto2020.hatenablog.com 今回は「どのセンターを選ぶか」での意外な盲点を書きます。 1)まずは、目的を絞ろう 2…

ひと味ちがう、「攻める」定期テスト対策はいかが?(1)

今日は、国公立中&都立一貫中高の定期テスト対策を考えてみます。 テスト範囲の問題演習や授業ノート見直しが、一般的でしょう。 もちろんそれらも有効ですが、さらに一歩進んで 能動的な、攻めるテスト対策 はいかがでしょうか。 それはズバリ「予想問題を…

伸ばす親、つぶす親(3)~NGチェックリスト~

このシリーズの過去記事はこちらです。 mikoto2020.hatenablog.com mikoto2020.hatenablog.com 過去2回と多少かぶりますが、これまで見てきた「つぶす親」の共通点を整理・加筆修正しつつ、改善策を「伸ばす親」の事例から読み取ってみたいと思います。 つ…

「ミス」をどう防ぐか(2)~具体策編

ミスというものについて、心構えや日常生活の改善余地についてはこちら。 mikoto2020.hatenablog.com 今回は、主に算数/数学のミスを防ぐTipsを書こうと思います。一つでもご参考になればよいのですが。 1)問題を音読する 2)問題に必ず線を引きながら読…

転塾・退塾の見極め

難しい問題ですね。 mikoto2020.hatenablog.com ここでも書きましたが、本人の性格によるところが大きいです。 ただ、私は声を大にしていいたい。 本末転倒になっていませんか? 「鶏口か牛後か」でも書きましたが、そこが本人の「なにがなんでも」のゴール…

「ミス」をどう防ぐか(1)~心構え編

ミス。 これに頭を悩まされたことのない人は皆無に近いのではないでしょうか。 かくいう私も、もちろんその一人。 私の場合は「テストでのミス」はほとんどないのですが、日常のミスがすさまじかったです…。好奇心が強く、常に前のめりで生きてきたので「後…

「できる子」と「できない子」はここが違う(2)~丸付け、概算~

(1)は↓に書きました。 mikoto2020.hatenablog.com 関連する記事はある程度まとめて書くよう心がけていますが、書下ろしの本を書いているわけでもないので、散発的になってしまう点はご容赦ください。 今回は、「丸付け」「概算」の2点について書きますね…

二月の勝者のウソ(2)~「一発勝負だからフェア」?

中学受験を選択する理由は人それぞれですが、その中に「公立では内申が勝負だから不公平」というものがありますね。人気漫画「二月の勝者」の黒木先生の演説にもあり、あの漫画の中で父兄たちはそれに魅了されていました。果たしてこれは真実なのでしょうか…

伸びる子、伸びない子の違い(1)~小学四年生で将来が決まるのは残酷なのか?

9歳の壁という言葉はご存じの方も多いでしょう。 ドイツでは小4でざっくりとした将来のコースが決まるそうですが、9~10歳であることは偶然ではないと思います。 小4くらいで、だいたいは学力の伸びしろはわかってしまう。これは、小学生を教えたこと…

伸ばす親、つぶす親(2)~講師との関係~

前回は、主に親子の関係について書きました。 mikoto2020.hatenablog.com 今回は「家庭教師との対応」に絞って書きます。つぶす親についての話がメインです。比較対象として、伸ばす親がどういう対応かはそれぞれ末尾に書きますね。 1)つぶす親は、話が長…

低学年から塾に入れることのリスク(2)~「先取り」は無意味

「小4からでは席が取れないかも」という不安から、あるいは「先取りさせれば有利」という完全に間違った考えから、大手塾の低学年枠が瞬間蒸発の勢いで埋まっているそうですね。前回は、低学年に限らず「塾が勉強のすべてになることの大きなリスク」につい…

「ドラゴン桜」の功罪

最初に断っておきますが、私は「ドラゴン桜」の大ファンです。何度読んだかわからないし、何度泣いたかわからない(笑)。 「ドラゴン桜」からは青少年への真の愛情を感じますし、エールを送ってらっしゃるのだとわかります。「ドラゴン桜」を読んだ人たちの…

低学年から塾に入れることのリスク(1)~「塾ズレ」

中学受験の過熱ぶりはとどまるところを知りません。 驚いたことに、いまや「席取り」のために小1~2からサピックスに入れるご家庭も多く、そのため早々に低学年枠は締め切りになってしまうとか。 でも、ちょっと待ってください。そもそも、サピックスの代…

受験ギョーカイは「証券会社の営業」

ギャンブルがなぜ人を引き付けるか。 それは「勝ちが100パーセントじゃないから」だそうです。 ご存じの方も多いかとは思いますが、ネズミやサルに「レバーを押すとおやつが出てくる」装置を与えると、驚くべき結果が出たそうです。 レバーを押すと必ずおや…

伸ばす親、つぶす親(1)

最初に断っておきますが、これはあくまで経験談です。家庭教師が同時に担当できる上限は、15人前後じゃないでしょうか。一人が週に複数コマ取ると、さらに減る。そのため、私は現在11人。それ×年数がのべ人数になりますが、私の場合「小学校から大学受験まで…

ブログのタイトルを変えてみる

もともとこのブログはホンネを語ろうと思って書き始めたんだった、そういえば(笑)。この仕事はみな一匹狼みたいなものなので、「んんん…これはさすがに…」みたいな事象に出会ったときにほかの講師の方はどうしてるのかなと、ふと家庭教師ブログを検索して…

鶏口か牛後か

鶏口となるも牛後となるなかれ 人生の最大の悩みどころの一つですよね。 どっちを選ぶかは、その生徒のキャラ次第かなと考えてます。 受験においては、多くの生徒、いや、生徒本人より親御さんが「少しでも偏差値が高い学校に」「滑り込みでもいいから入れた…

Twitterをやらない理由

馬鹿になるから。 身もふたもないな(笑 仕事で必要に迫られて&人に勧められてアカウントを取ったけど、数か月たたずに辞めた理由は、「これに取り込まれたら自分はダメになるな」と危険信号を感じたから。 あくまでも、自分の場合です、念のため。 Twitter…

「できる子」と「できない子」はここが違う

いささか煽情的な、自分では嫌いなタイプのタイトルをつけてしまいました(汗 文字だけ見ると、できる子は素晴らしく、できない子はダメな子、みたいに見えますよね。もちろん、そういう意味ではありません。なんか、こと勉強に関しては変な気を遣わなければ…

「記述問題が苦手」の意外な原因と、その克服法(2)

前回は、記述問題が苦手な原因を考えました。 今回は、そのトレーニング方法を考えたいと思います。 「本文が正しく読めていること」が前提です。記述で点が取れない原因が「本文を理解できていないため」な場合、まず、対話を通じて本文を正しく読むトレー…

「記述問題が苦手」の意外な原因と、その克服法(1)

「うちの子、記述問題が苦手で…」とお嘆きの貴兄。 「文章が下手だから点が取れないんだよね」と悩む受験生のみなさん。 みなさんは、もしかして「記述力」の低さのせいで記述問題ができないと思っていませんか?ズバリ、それは勘違いです。 記述問題関連に…

記述の採点ができないなら記述問題などやめてしまえ

先般の某大手塾の塾内テスト、国語の記述採点にどうにも納得いかず、いささか過激なタイトルとなっております。 ぶっちゃけ、Sです。Sのみならず、大手塾って、もしかするとまともに記述の採点できる人間いないのかな? 記述の採点が「キーワードが書かれて…

語彙力が低いのは家庭の責任です

私はもともとは算数&数学および英語をメインに教えておりましたが、近年、国語の需要がうなぎのぼりです。 それはなぜなのか。 考え続けて、 「国語は塾では伸びない」 のが原因なのかな、と思い至りました。 1)読解力はマンツーマンでこそ伸びる これは…

「やる気」の誤解:やる気=欲、です

中学受験が、大学受験や高校時受験と大きく違うのは「本人がどれだけ受験を俯瞰的に見えているかどうか」です。 1)「やる気」の誤解の悲劇 2)「やる気スイッチ」なんて嘘 3)「欲」があればOK! 4)無理だと思っていたのに、可能かもと思えたときに「…

「二月の勝者」のウソ(1)~中学受験を「課金ゲー」と考える危険~

仕事柄、受験モノや学園モノの漫画やドラマはよく見る。 「ドラゴン桜」は殿堂入りだろうが、今連載中となると中受関係者なら「二月の勝者」は多くの人が読んでいるのではないだろうか。 作者の方はとても受験事情をよく調べておいでだと思うし、どのキャラ…

難問を出す中学は試験時間を倍にせよ!

1か月空いてしまった。 その間何も考えないということはなく、むしろ「受験」について日々新しい発見もあり考えをまとめる=ブログに書く、ということをしたいのはやまやまなれど。 中受真っ最中でまったくそんな余裕がなかった。 ありがたいことに、来期も…