とある講師のホンネ

フリーの講師。国・数・英・理を指導中。東大卒。現在は家庭教師中心ですが、大人の文章教室なども開いています。

中学受験

伸びない子の「家」は床が見えない

もちろんすべてに当てはまるわけではありませんが、伸びない子のお宅は「床が見えない」ことが多かったですね。 家の広い狭い、とは別の問題です。 まあ確かに家は広いに越したことはありません。自分の場合は、居住空間が狭いと頭の中までごちゃごちゃして…

「サピックスでは伸びない子」とは

「信者」がもっとも多いサピックスに関してこの記事を書くのは少々覚悟がいりますが、だからこそ書かなければとも思います。 以前も書きましたが、私は「塾ナシ」の生徒さんと「塾と併用」の生徒さんをお預かりしていますが、「塾と併用」の生徒さんの塾の多…

効果があった参考書&問題集(1)国語編・

うちには6畳の「書庫」があります。大工さんに作ってもらいました。 学校や集団塾の先生なら「自分のやり方」を通すことが許されているんでしょうが、我々はオーダーメイド。偏差値30~70と幅広いご依頼に応えるには、教材研究が欠かせません。まあ、勉強オ…

子供の前で言ってはいけない言葉

子は親の鏡、とはよく言ったものです。 長年私塾経営や個人コーチをしていて、つくづく「子の親にしてこの子あり」は真実だなと感じています。良い意味でも悪い意味でもね。 今回は「子供に間違った価値観を植え付ける」という観点から「言ってはいけない言…

子供が辞書を好きになるゲーム

今日は、先日思いついた「辞書を好きになるゲーム」をご紹介します。 タイトルは「子供が」となっていますが、中高生も大いに活用できるゲームです! 前置き)なぜゲーム形式が良いか 1)辞書ゲーム 2)和同開珎・漢字クイズ 3)このゲームをやるときの秘…

「やればできる子!」は禁句

あなたは『やればできる子』なの!」と我が子に言ってませんか? それ、禁句です。 「二月の勝者」の中で最高の毒親・今川理衣沙ママ。 「吉女は無理」という理衣沙に向かって「あなたはやればできる子なの!」と般若の顔で迫ります。もうほんと、理衣沙はグ…

伸びる子、伸びない子の違い(2)算数の伸びしろ見極めポイント

「伸びしろ」は、現在の偏差値とは関係ないです。特に中受の場合。 あの特殊な世界は、先取りしてればそれなりに点は取れます。 でも「先取り」で利益の先食いしていた子たちが5年後半あたりから地滑りしていくケース。これは「向き不向き」を見誤った結果…

我が子をつぶす親:受験ギャンブルで苦しんでいる親御さんへ

今回は「わが子にここまで強いる私はおかしいのではないか」「悪いとわかっているけどやめられない」方向けの記事です。 教育関連BBSやそのほかSNSを見ていると、「受験ギャンブル」にハマっている親御さんは大きく2つに分けられるなと感じました。 ・この…

教育虐待 やめてみたら うまくいく

このところ、教育虐待関連の記事が多くなってきましたので、ここらで一度「なぜ私が教育虐待にこだわるのか」を整理しておこうと思います。 ・教育虐待をやめると、かえって子供が伸びることを知ってほしいから ・単純に「見ていられない」から ・幸せと学歴…

もしかしてそれ「教育虐待」?

受験ギャンブルに取り込まれて我が子を潰さないためにはどうしたらいいか。 一言で言うと客観性。 つまり「いま自分がわが子にやっていることを、自分が夫/妻/会社の上司からやられたらどう感じるか?」「いまの私を他人が見たらどう見えるか?」という視点…

「二月の勝者」のウソ(3)~母親の狂気で受かる?

人気中受漫画「二月の勝者」の冒頭に、難関校に受かった小学生に向かって「自分の実力だと思いあがるな。君らが難関に受かったのは『母親の狂気』と『父親の経済力』だ」と言い切るシーンがある。 いや、まずいでしょそれ(苦笑)。 漫画を盛り上げるためだ…

家庭教師の選び方(1)~センターのサイトはここを見るべし~

以前、こんな記事を書きました。 ・本気なら5年生でセンターに「予約」するべし ・個人契約はお互いリスキー ・ベストは先輩ママの紹介 mikoto2020.hatenablog.com 今回は「どのセンターを選ぶか」での意外な盲点を書きます。 1)まずは、目的を絞ろう 2…

「ミス」をどう防ぐか(2)~具体策編

ミスというものについて、心構えや日常生活の改善余地についてはこちら。 mikoto2020.hatenablog.com 今回は、主に算数/数学のミスを防ぐTipsを書こうと思います。一つでもご参考になればよいのですが。 1)問題を音読する 2)問題に必ず線を引きながら読…

転塾・退塾の見極め

難しい問題ですね。 mikoto2020.hatenablog.com ここでも書きましたが、本人の性格によるところが大きいです。 ただ、私は声を大にしていいたい。 本末転倒になっていませんか? 「鶏口か牛後か」でも書きましたが、そこが本人の「なにがなんでも」のゴール…

「ミス」をどう防ぐか(1)~心構え編

ミス。 これに頭を悩まされたことのない人は皆無に近いのではないでしょうか。 かくいう私も、もちろんその一人。 私の場合は「テストでのミス」はほとんどないのですが、日常のミスがすさまじかったです…。好奇心が強く、常に前のめりで生きてきたので「後…

「できる子」と「できない子」はここが違う(2)~丸付け、概算~

(1)は↓に書きました。 mikoto2020.hatenablog.com 関連する記事はある程度まとめて書くよう心がけていますが、書下ろしの本を書いているわけでもないので、散発的になってしまう点はご容赦ください。 今回は、「丸付け」「概算」の2点について書きますね…

二月の勝者のウソ(2)~「一発勝負だからフェア」?

中学受験を選択する理由は人それぞれですが、その中に「公立では内申が勝負だから不公平」というものがありますね。人気漫画「二月の勝者」の黒木先生の演説にもあり、あの漫画の中で父兄たちはそれに魅了されていました。果たしてこれは真実なのでしょうか…

伸びる子、伸びない子の違い(1)~小学四年生で将来が決まるのは残酷なのか?

9歳の壁という言葉はご存じの方も多いでしょう。 ドイツでは小4でざっくりとした将来のコースが決まるそうですが、9~10歳であることは偶然ではないと思います。 小4くらいで、だいたいは学力の伸びしろはわかってしまう。これは、小学生を教えたこと…

伸ばす親、つぶす親(2)~講師との関係~

前回は、主に親子の関係について書きました。 mikoto2020.hatenablog.com 今回は「家庭教師との対応」に絞って書きます。つぶす親についての話がメインです。比較対象として、伸ばす親がどういう対応かはそれぞれ末尾に書きますね。 1)つぶす親は、話が長…

低学年から塾に入れることのリスク(2)~「先取り」は無意味

「小4からでは席が取れないかも」という不安から、あるいは「先取りさせれば有利」という完全に間違った考えから、大手塾の低学年枠が瞬間蒸発の勢いで埋まっているそうですね。前回は、低学年に限らず「塾が勉強のすべてになることの大きなリスク」につい…

低学年から塾に入れることのリスク(1)~「塾ズレ」

中学受験の過熱ぶりはとどまるところを知りません。 驚いたことに、いまや「席取り」のために小1~2からサピックスに入れるご家庭も多く、そのため早々に低学年枠は締め切りになってしまうとか。 でも、ちょっと待ってください。そもそも、サピックスの代…

受験ギョーカイは「証券会社の営業」

ギャンブルがなぜ人を引き付けるか。 それは「勝ちが100パーセントじゃないから」だそうです。 ご存じの方も多いかとは思いますが、ネズミやサルに「レバーを押すとおやつが出てくる」装置を与えると、驚くべき結果が出たそうです。 レバーを押すと必ずおや…

伸ばす親、つぶす親(1)

最初に断っておきますが、これはあくまで経験談です。家庭教師が同時に担当できる上限は、15人前後じゃないでしょうか。一人が週に複数コマ取ると、さらに減る。そのため、私は現在11人。それ×年数がのべ人数になりますが、私の場合「小学校から大学受験まで…

鶏口か牛後か

鶏口となるも牛後となるなかれ 人生の最大の悩みどころの一つですよね。 どっちを選ぶかは、その生徒のキャラ次第かなと考えてます。 受験においては、多くの生徒、いや、生徒本人より親御さんが「少しでも偏差値が高い学校に」「滑り込みでもいいから入れた…

「できる子」と「できない子」はここが違う

いささか煽情的な、自分では嫌いなタイプのタイトルをつけてしまいました(汗 文字だけ見ると、できる子は素晴らしく、できない子はダメな子、みたいに見えますよね。もちろん、そういう意味ではありません。なんか、こと勉強に関しては変な気を遣わなければ…

「記述問題が苦手」の意外な原因と、その克服法(2)

前回は、記述問題が苦手な原因を考えました。 今回は、そのトレーニング方法を考えたいと思います。 「本文が正しく読めていること」が前提です。記述で点が取れない原因が「本文を理解できていないため」な場合、まず、対話を通じて本文を正しく読むトレー…

「記述問題が苦手」の意外な原因と、その克服法(1)

「うちの子、記述問題が苦手で…」とお嘆きの貴兄。 「文章が下手だから点が取れないんだよね」と悩む受験生のみなさん。 みなさんは、もしかして「記述力」の低さのせいで記述問題ができないと思っていませんか?ズバリ、それは勘違いです。 記述問題関連に…

記述の採点ができないなら記述問題などやめてしまえ

先般の某大手塾の塾内テスト、国語の記述採点にどうにも納得いかず、いささか過激なタイトルとなっております。 ぶっちゃけ、Sです。Sのみならず、大手塾って、もしかするとまともに記述の採点できる人間いないのかな? 記述の採点が「キーワードが書かれて…

語彙力が低いのは家庭の責任です

私はもともとは算数&数学および英語をメインに教えておりましたが、近年、国語の需要がうなぎのぼりです。 それはなぜなのか。 考え続けて、 「国語は塾では伸びない」 のが原因なのかな、と思い至りました。 1)読解力はマンツーマンでこそ伸びる これは…

「やる気」の誤解:やる気=欲、です

中学受験が、大学受験や高校時受験と大きく違うのは「本人がどれだけ受験を俯瞰的に見えているかどうか」です。 1)「やる気」の誤解の悲劇 2)「やる気スイッチ」なんて嘘 3)「欲」があればOK! 4)無理だと思っていたのに、可能かもと思えたときに「…